【短期集中掲載】男と友達の「くろ」-2【”ともだち”の危機】(また掲載します) | Let's easily go!気楽に☆行こう!

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映画、写真、B級グルメ、格闘技、そして少しばかり日常を語る雑記帳です。

 

くろ:きみのようなひとだらけなら、

ぼくたちもきっとたのしくいきられるとおもうよ

なんだよコイツ、なかなか良い奴じゃねえか






男:そうかもね。じゃあ暇だしお前の半生でも語ってよ

それから俺らは毎日のように話し込んだ

お互い夜型生活らしく、チャットできるのも太陽が沈んでいる間だ

最初に全身黒と聞いてもしやと思ったが、想像以上に気が合うようだ

見た目のせいだけで虐められ続けてきたこと

父親も母親もいないこと

なにより友達が0なこと

聞けば聞くほど俺にそっくりだ

気がつけば俺らはすっかり仲良くなっていた


男:本当俺ら気が合うなwwこんな気が合う奴初めてだわww


くろ:そうだねー。でもきみにはたくさんともだちがいるんじゃないの?

男:それな、

くろ:しってるよー

男:てめぇwww




人生で初めて友達ができた

俺はこんな平和な時間がずっと続くと思っていた

しかし、それはたった一言で崩壊してしまうのだった

俺にとっては些細な悪口でしかなかった

だが、彼にとってそれはとてつもなく傷つく言葉だったのだ――


――12月24日

時刻は22時を回っていた

男:くろー?おるかー?

男「ハハッ。性の6時間にネットの男とチャットとはね・・・」

くろ:いるよー

男:今日何してた?

くろ:きょうはこうえんいったよー

さすがはわが友!行動が同じとはやはり気が合うな

男:おお!俺もさっき近所の公園行ったんだよ!

くろ:ぼくもさっきだよ!おんなじだねー

男:まぁ場所は違うけどなww


雪に足跡つけるの楽しくて走り回っちゃったよww

くろ:ぼくもだよー。あしつめたいけどたのしいよね

男:俺の近所の公園は結構広いんだけどさー、

行ったとき俺しかいなくてめっちゃ気分よかったww


くろ:あそこのこうえんひろいよねー。ぼくもおきにいり


何かおかしい・・・

コイツは何を言ってるのだろうか

あそこの公園って俺の行った公園か?

いや、でも俺以外いなかったはず・・・


男:お前の言ってる公園ってどんな公園だ?

くろ:じつはぼくきみのこうえんにいたんだよ

男:は?

くろ:だからぼくもそこにいたの。

ちょっとはなれてたけどいっしょにはしりまわってたんだよ



あの公園にコイツがいただと?

確かに暗くてよく見えなかったが・・・いや、でもそんなわけない

あの公園は俺1人の貸切だったはずだ

それよりもコイツの態度が気に入らない

コイツは俺を知ってるのに、俺はコイツを知らないままってか


くろ:すっごくたのしかったねー

男:おいふざけんな!なんだよそれ!


くろ:え?

男:近くにいたなら堂々と出てこいよ!気味悪いだろうが!

・・・・・・

いつもは1分経たず返ってくるのに、今回は10分経っても返事がない

男「怒ったのか?まぁこれで次から出てくるだろ。

さて、風呂にでも入るか」

風呂に入ってる間、少しくろのことを考えた

気味悪いはちょっと言い過ぎだったかもしれない

お互い友達0、虐められっこという似たもの同士だ

くろは俺と本当の友達になりたかっただけなのだ

直接会うのが恥ずかしかっただけかもしれないのに・・・

男「・・・・・」

俺は急に罪悪感にかられ、風呂を飛び出しパソコンに向かった


男:すまん、ちょっと言い過ぎた。さっきの無し

・・・・・・

やはり返事がない

男:おい、どうした?怒ってるのか?

くろ:・・・ごめん。このやりとりもきょうでおしまい

どうやらさっきのことを結構気にしているようだ

ここは素直に謝っておくべきだろうか

男:さっきのはホントごめん!明日また一緒に雪の上走りまわろうぜ!

男:直接会うのが恥ずかしいなら俺が探してやるよ!

くろ:そうじゃない。くるまにひかれた

車に轢かれた?そんな嘘をついてまで

俺とのやりとりを終わりにしたいってか

男:嘘つけよwwじゃあなんでお前書き込めてんだよww


くろ:ぼくはね、きみとこうしてはなしできるだけでもうれしいんだ

くろ:でもね、もうだめなんだよ。からだがうごかないの

くろ:まわりをよくみてなかったぼくがわるいんだよ。

きみはなにもわるくないよ







続く。








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