くろ:それでね、きみのいえにいって、あのこうえんにいっしょにいくの
くろ:そんでね、こんどはちゃんといっしょにゆきのうえをはしるんだ
くろ:そうすればきっとこんなさいごにはならなかった
くろ:きみとぼくはきっとさいこうのともだちになれたとおもうんだ
男:今からでも遅くねぇだろ!救急車呼ぶから場所教えろって!
男:今日はクリスマスだぞ!死ぬとか縁起でもねえ!
くろ:くりすます・・・そうか。さんたくろーす・・・
ぼくのねが・・・・・・・・
男:おい・・・おい。返事しろ!
・・・・・・・・・
男:なんとかいえよぉぉぉ!
・・・・・・・・・・・
12月24日、時刻は23時
一度も会うことがなかった俺の"友達"は死んだ
そもそも本当に奴は存在していたのだろうか
いや、そんなことはもうどうでもいいか
どっちにしろあいつは、"くろ"はもういないのだ
短い間だったけど俺のたった1人の友達だった
初めての友達だったけど、それでもわかる
あんなに気の合う奴は他にいない
男「また1人ぼっちに戻るのか・・・」
疲れた
頭が働かない
もう寝てしまおうか
全てが夢なのかもしれない
正直何が起こったのかよくわからない
そう考えているとやげて視界が霞み、俺は深い眠りに入った
ガタッ
大きな物音で目が覚める
部屋は明るくパソコンもつけっぱなしだ
男(・・・ああ、あのまま寝ちまったのか)
とっさにパソコンの画面に目をやる
男(・・・あれ?)
おかしい。あのサイトが表示されてない
というかお気に入りにも入ってないし、検索にも引っかからない
男(え?マジで夢だったのか?嘘だろ・・・)
俺はテンパりながら携帯を取り出し今日の日付を確認した
今は2011年12月15日。時刻は3時を回ったところだった
男(おいおい。俺の頭大丈夫か?)
そういえば妙な夢を見ていた気がする
サンタの服を着たおっさんが俺の家の前に来て、
これがクリスマスプレゼントだぜっ!
と言わんばかりのドヤ顔で
ダンボールを1つ置いていくという奇妙な夢だ
男(そういやさっき玄関の方で音がしたけど・・・まさかな)
俺は期待半分恐怖半分で玄関に向かった
ガチャッ
男「おぉ・・・」
いつのまにか外は一面雪に覆われていた
足元には夢で見たとおり、
みかん箱くらいのダンボールが1つ置いてある
そこには一言メモが貼ってあった
お友達をお届けしました byサンタ
男「クソワロタww俺に友達なんていねーしwww」
そう自虐しながら俺はダンボールを開ける
ビリビリ ビリビリ
箱の中身を見た瞬間、俺の目からは涙が溢れ出した
男(・・・・・ははっ。こりゃあとんでもねえプレゼントだな)
俺は一目見ただけで奴だとわかった
男「・・・ふふ。はじめまして・・・じゃ変かな。
えっと・・・改めてよろしくな、くろ」
くろ「にゃー!」
そこにいたのは全身黒色の、一匹の子猫だった
おわり