日本テレビがスクープした。
同局の報道によれば、いくつかの報道陣、警察と緊急車両が現場へ駆けつけ、
彼らは、ちょうどUFOが海に沈んでいくところを目撃したという。
「我々が現場へ到着したとき、ドーム型の小さな船のような何かが水中に
ゆっくり沈んでいくのが見えました」と沖縄県警のスズキ・ヒデキ本部長は言う。
UFOが墜落した当時、現場では地元の年配の男性が釣りをしており、猛スピードで
火の玉が落ちてくるところを目撃している。また他にも目撃した少年は次のように語る。
「それは映画のようだった。この目でみたことが信じられない。僕は飛行機だと思ったけど、
それは普通の飛行機ではなかったんだ。上が丸くて、すべて金属に見えたよ。
とてもぴかぴかで赤と緑のライトが光っていたんだ」
まるで宇宙人が操縦する宇宙船のようである。
この墜落したUFOの回収と調査には海上自衛隊と科学者チームが派遣された。
下の写真は、海上自衛隊によって撮影された海中に沈むUFOの貴重な写真である。

「我々はこの写真を世界に発表することを望みます。これは冗談ではありません。
我々はUFOの存在を示す明確な証拠を海の底に持っています」
と海上自衛隊の報道官、ヨシド・ハリは語る。
写真だけではない。海上自衛隊のダイバーはUFOの破片の一部も回収している。
残骸の一部は重さが1トンもあり、表面は未知の金属でできているようだったという。
また墜落したUFOの奇妙な物質のせいで、50トン以上におよぶ数百万匹もの魚が死に、
沖縄の海岸に打ち上げられているともいう。もはや大惨事だ。
しかし、この驚くべきニュースは、最初に日本テレビが報じて以降、国内のマスコミでは
黙殺され、海外でも一部のニュースサイトで報じられるのみとなっている。
こんなことが許されていいのだろうか。
我々は真実を知る権利があるはずだ。
<謎解き>
「伝説」で書かれていることが本当であれば、世界的な大ニュースである。
ところが、この話を最初に記事にしたのは、日本テレビではなく、海外サイトの
「In Other Newz」だった。これより前に報じたものはない。
(引用したサイトは日本を含め、たくさんあるが)
では、この大ニュースを世界で最初に報じた上記のサイトはどうやって情報を
入手したのだろうか。答えは簡単だ。
すべて創作の作り話なのである。
これは同サイトの「About Us」(私たちについて)のページを確認すればわかる。
ここに、「we make the breaking news…literally!」 (私たちはニュースを創ります。
文字どおり!)、「don’t believe anything on this site. It’s all spurious,
ok?」(このサイトを信じてはいけません。すべて間違いです。OK?)
とはっきり書かれている。
つまり創作記事を発表するネタサイトなのである。当然、記事の中に出てくる人物も
実在しない。たとえば、沖縄県警の本部長は「スズキ・ヒデキ」なる人物になっているが、
実際の本部長は村田隆氏(2012年12月4日現在)というように。
ただ、写真はどうなるのだろうか? 実は、これも正体が判明している。
今回、「In Other Newz」で使われた写真は、2012年9月にアメリカで話題になった
UFO写真で、正体はグーグル・ストリート・ビューに写り込んだ太陽光のレンズ・ゴーストで
ある。レンズ・ゴーストとは、光源となるもの(太陽や照明など)にカメラを向けた
逆光状態で撮影すると、カメラのレンズ内で光が反射し、光源とは別の箇所にボンヤリとした
像を映し出すものだ。
下の画像をご覧いただきたい。最初に示したのがテキサス州のジャクソンビルで撮影された
レンズゴーストで、その次はニューメキシコ州で撮影されたレンズ・ゴーストである。
沖縄で墜落したUFOの水中写真とされたものは、このうちのニューメキシコ州の写真だ。


ちなみにこのレンズ・ゴーストはUFOの誤認例としてはよくあるもので、
『ハフィントン・ポスト』紙のUFO騒動を報じた記事では、下記のように他にも
レンズ・ゴーストによる写真を複数紹介している。



さて、このように沖縄に墜落したUFOの写真とされたものの正体はレンズ・ゴーストだった。
記事も創作である。しかし、なかには説明書きをちゃんと読まないおっちょこちょいな
人もいて、今回のネタニュースを本気にしたり、陰謀論を展開したりする人もいるようである。
ネタはネタとして楽しもう。そうした余裕と冷静さがあってこそ、オカルトの楽しみ方も
また広がるものである。
あのねのね 「空飛ぶ円盤の唄」
空~飛ぶ~円盤が、
ギーンギーン
と、飛んできた♪
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