都市伝説 vol.74 【 調べてはいけない言葉「ヒサルキ」 】 | Let's easily go!気楽に☆行こう!

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最近、保育園で保母さんをやってる友達に聞いた話。


その子が行ってる保育園ってお寺がやってるとこで、すぐ近くにお墓があったりする。

お墓に子供が入っていたずらしないように、周りに柵がしてあるんだけど、

柵の杭の尖った先っちょに、虫やトカゲなんかが串刺しになってることが良くあるらしい。

園児のイタズラかもしれないけど、お寺も兼ねてる保育園だから、けっこう人の出入りは多くて、

広場で小学生なんかがしょっちゅう遊んでるから、誰がやってるのかわからない。

まぁ鳥のせいかもしれないし~って感じで、誰もたいして気にはしてなかった。


ところがある日、その柵にモグラが刺さっていた。

さすがに哺乳類はグロいんで、すぐに園長先生(=寺のお坊さん)が片づけてくれた。

で、しばらくすると、今度はネコが突き刺さってた。

これはさすがに酷かったんで、保母さんやお坊さんが集まって、

誰の仕業か?どうしたらいいのか?って話をした。でも、犯人はわからないし、

再発防止の名案も出なかった。

結局、どーするんだろうね~ってムードでダラダラと時が過ぎて、

ある日、ウサギが突き刺さってた。

保育園で飼っていたウサギだった。

これは、友達が見つけたらしい。

早朝に、お坊さんがお墓の掃除に行った時には無かったのに。

その日は、たまたま友達より早く来ていた子供がいたんで、その子に何か見た?って聞いてみた。

その子は一言「『ヒサルキ』だよ。」って言った。


「『ヒサルキ』ってなあに?」と聞いても上手く説明できないみたいだった。

あとで、ほかの子に『ヒサルキ』の事を聞いてみた。

みんな知っていた。でも、誰も『ヒサルキ』がどんなモノなのか説明できなかった。

子供達は、ウサギが死んだのを、あまりかわいそうだと思っていないようだった。

何となく、しょうがない、みたいな感じで醒めていた。



変だと思ったのは、『ヒサルキ』のことは、園児の親も知らなかったこと。

子供がそんな言葉を使っているところも、誰一人覚えていなかった。

テレビや本のキャラでもなかった。

すると、保母さんの一人が、昔そんな名前の絵を見たことがある、と言い出した。

子供が描いた絵は返してあげるので保育園には残っていない。

ただ、絵を描いた子がその保母さんの近所の子だったので名前を覚えていた。

「その子に聞いたら・・・」と友達が言うと、その保母さんは「引っ越した。」と答えた。

そして、「その引っ越しが変だったんで、覚えてる。」とも言った。

なんでも挨拶もなく、急に引っ越していったらしい。さらに不思議だったのは、

引っ越す時にチラッと見たらしいんだけど、その絵を描いた子が両目に眼帯をして

車の中に座っていたんだって。それで、どこへ行ったのかはわからずじまい。

それからニワトリが串刺しになったのが最後で、『ヒサルキ』騒動は終了。

結局、犯人も『ヒサルキ』の正体もわからずじまい。

前みたいに虫なんかは突き刺さってるみたいだけど。

… … …




差し障りがあるといけないので、時と場所はぼやかして書きます。

そこの施設内で、たびたび動物の惨殺死体が発見されるのです。

そこにいた子供に聞くと「きらきらさんがやった」と言います。

「きらきらさんってなに?」と聞くと両目を両手で隠し「しらない」としか言いません。

そこの職員も「きらきらさん」がなんなのか、さっぱりわからず不気味に思っていました。

あるとき、施設内の庭に子供達を連れ出したとき私と手を繋いでる男の子が小さく

「あっ」と声をもらし「きらきらさんだ」と言って、青空の一点を見つめます。

私も空を見つめましたがなにも見えません。

ふと気がつくと、他の子供達も徐々に「きらきらさん」に気がついたらしく

ひとり、またひとりと空を見上げ、結局その場の子供達全員が同じ空の一点を見つめているのです。

「きらきらさん」に向かって、にこにこ手を振っている子もいます。

とても晴れ渡った明るい昼下がりに、突然起こったこの不安な静寂に耐え切れず

私は手を繋いでいた男の子の前にしゃがみこみ

「なんにも見えないよ?きらきらさんってなんなの?」と問いかけました。

するとやはり、両目を両手で隠し「しらない」というのです。

私は彼の両目を覆っている両手をはずし「私も知りたいなー。教えてよ」と言いました。

すると。

その子はいきなり、両手の人差し指をおもいっきり突き出し私の両目を衝こうとしたのです。

驚いてシリモチをついたので、その攻撃を避けることができましたが

今度はその突き出した両手の人差し指を、同じ勢いで、なんのためらいもなく

彼は自分の両目に突き刺したのです。

あまりのことに我を忘れて私は彼に飛びかかり、押し倒し、さらに力を込めて

自分の目にねじ入れようとしている小さい両手を必死に押え

「だれかっ!だれかああぁあ!!たすけてったすけてぇぇぇ!!!」と絶叫していました。

子供とは思えないような力でした。

私ともみあううちに、彼は自分をとりもどしたのでしょうか。

ふいに「目が痛いよーーー!!痛い痛いよーー!」と泣き出しました。

まるで今ケガに気がついたように。

すぐに病院に連れて行き、失明を免れることはできましたが、後遺症は残ってしまいました。


私は今まで、この体験は集団ヒステリーのようなものだと思っていました。

または空想の産物の共有みたいなことが起こっていたのかもと解釈していました。

しかし、おそらく時も場所も違うにも関わらず、

「ヒサルキ」という話が存在し、「きらきらさん」を体験した私がいる。


言葉をうまく操れない子供達は

得体の知れないものに対して勝手に名前を付け、親しんでしまうことがあります。

大人があるときふと耳にする聞きなれない子供達の「造語」に

立ち入ってはいけない場合があるのではないか・・・

ここにきてそう思いました。








◇ゆっくりとコワい話 『ヒサル、キヒサル、あるいはヒサルキ』





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