【ちょっと怖い話でも】後ろからの気配 その2(※再掲載) | Let's easily go!気楽に☆行こう!

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映画、写真、B級グルメ、格闘技、そして少しばかり日常を語る雑記帳です。


先ほどの続きというか、タイトルの絡みで

次のような話があります。

僕(hiko)の実体験です。

長いですがお付き合いください。



僕はかつて、父が経営していた建築関連の会社で

勤務していたことがあります。

(後に会社は解散いたしました。倒産ではありません。)



業界を知らない方にちょっとだけ説明をいたします。

どの建設屋もそうですが、一つの工事現場がきれいに片付いてから

次の現場を手掛けるのではなく、たいがい複数の現場を

並行で手掛けるスタイルで作業を進めます。

さて、そんな会社で仕事をしていた昔の話なんですが・・・



当時いくつかの現場を持っていたhiko建築会社(仮名)。

その日僕は木造の、それもかなり大きな注文住宅に

一日中かかりっきりになっていましたが、夕方になっても

仕事が終わらず翌日もまたくることになりました。

この辺はスケジュール通りではあったんですけどね。


事務所に帰ると、予定が急に変わり明日は別の工事現場に

行くことを伝えられました。


今日行った現場に行くつもりだったので

道具をすべて置いて来てしまいました。

何だよ、と少し思いながらまた道具を取りに

今日の現場へ向かいました。


現場に到着したのは午後8時近かい時間でした。


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工事途中の建物もまだ屋根と外壁ができたぐらいの

もので、大工さんたちがせっせと作っている最中ですが

当然この時間では誰もいなく、建物の中は真っ暗です。

大工さんたちは室内の組み立てを行うので

照明用の電球をぶらさげていますが、それをつけずに

中に入っていきます。

外の街灯や月明かりがサッシが組み込まれていない

窓から、光がかすかに建物の中を照らしています。

どんどん奥に進み、道具を置いた部屋に入り

道具にかぶせたシートをはぐり、しゃがんで

道具を物色していると手元にあたっていた光が

影で消え一瞬真っ暗になります。

後ろを振り返ると、僕のすぐ後ろに大男が

外からの光を遮るように逆光で浮かびあがって立っていました。



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「誰?」

立ち上がると目の前の男は僕をニヤニヤ笑って見ていました。

「水道屋さん?」

「ああ、(ニヤニヤ)」

「寸法、測りにきたの?じゃ、電気つけてあげるよ」

無言でニヤニヤしながら僕を見ています。

大工さんが使っている照明電灯に電気をつけて

「これでどう?」

男の人のほうに目を向けると

さっきまでいた男の人がいません。

本当に煙か何かのように消えてしまった感じです。

「水道屋さーんっ!」

男の人は建物からいなくなっていました。




帰宅して、父との会話。

hiko「さっき水道屋が来たてよ」

父 「え、水道屋?水道屋が入るには

(工程上)まだ早いだろ」

hiko「あ!そうだね。まだ先だよね・・・。

じゃ、さっきの職人みたいの誰だったんだろ?」

父 「(考えて)・・・現場ドロかな」



工事現場では置いてある資材や道具を夜中に盗んでいく

『現場泥棒』がよくあります。


hiko「現場ドロ・・・だったのかもね」



翌日、僕が仕事の休憩中に

その話を職人さんたちにしていたら

話を聞いていた一番年をとった職人さんが

「hiko、よかったねぇ。やられないで・・・。

あいつら刃物持ってるから、危ないんだよ。

自分らがヤバイと思ったら構わず刃物を

突きつけてくるから、次は気をつけな」



そういえばあの時、あの男・・・

作業ジャンパーのポケットに両手を突っ込んでいました。

そして暗闇中でで僕の肩を叩けるほどの近さで

道具をあさっている僕に声をかけるわけでもなく

上から見下ろすように立っていたのです。




後ろには目がない

後ろには目がない

後ろには目がない



こういう状況に出会う人は少ないでしょうけど

気をつけたいものですね。


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