ポルターガイスト現象(ポルターガイストげんしょう)、
あるいはポルターガイストとは、そこにいる誰一人として
手を触れていないのに、物体の移動、物をたたく音の発生、
発光、発火などが繰り返し起こるとされる、
通常では説明のつかない現象。
いわゆる 心霊現象の一種とされている。
これはオーストラリアのハンプティ・ドゥという街で起こった事件である。
1998年1月、その街に住む「アギウス夫妻」の家で
突然ポルターガイスト現象が起こり始めた。
ことの起こりは、ある雷雨の日、
直径1.3センチ程度の小石が空から降ってきたことから始まる。
それだけなら霊現象とは断定出来ないが、
その小石は家のベランダにいた夫妻めがけて降って来て、
驚いた夫妻が家の中に逃げ込むと、
さらにその落下してくる小石は家の中まで降り注いだという。
家に中まで小石が降り注ぐというのは、
部屋の中に入ってきちんとドアを閉めていても、
上から小石が雨あられと落ちてくるという意味である。
不思議に思った夫妻は思い切って天井の方に目を向けてみた。
すると驚くべきことに、小石は天井のすぐ下でいきなり物質化し、
そのまま落ちて来ていたのだ。
あたかも小石がテレポートしてきたかのように。
しかし部屋の中で降ってくる物は、
段々と小石だけではなくなってきた。
小石に混じって電池やナイフ、
割れたガラス、そしてスパナまでもが降り注いできたのだ。
これらの物は次々と床に落ち、
その量は、降ってきた物で床が埋め尽くされるほどであった。

(↑ 左の二人が実在のアギウス夫妻)
その現象はやがておさまったが、
これを期にたびたび似たような現象が起こり始めた。
それでもしばらく夫妻はその家に住んでいたが、
何日か経つと今度は小石が床に文字を作るようになってきた。
小石が並んで「FIRE」や「SKIN」、「HELP」、「TROY」などの文字を
形作っているのだ。
このうち、「TROY」というのは夫妻の友人で、
昔、交通事故に遭って車の中で焼死した人物の名前である。
ここに至って夫妻はさすがに怖くなり、神父にお祓いを頼んだ。
だが、この神父が夫妻の家を訪ね、
そして部屋の中に入った瞬間、
またいつものように謎の落下物が今度は神父を襲った。
それは弾丸と薬のビンに始まり、
次々と・・実に30種類以上という大量の物が
神父に降り注いだのだ。
それでも神父は祈りを続け、
家の中に聖水を振りまいて帰った。
そしていったんはこの現象がおさまったかに見えたが・・
神父が帰ってまもなくすると、今度は家の窓ガラスが
突然はじけ飛ぶように割れたり、
神父が置いて帰った聖書や十字架が
あちこちに飛ばされたりした。
その音はあまりにも大きく、
夫妻はその晩は寝付けなかったという。
この家にはその他にも二人の神父がお祓いにやってきたが、
いずれもポルターガイスト現象の洗礼を受け、
霊を沈めることは出来なかった。
一人はナイフが飛んできてあやうく胸に刺されそうになったし、
もう一人は祈りの最中、見えない力によって
腕を背中の方にねじ上げられ、床に這わされた。
これらは何人もの人が見ている前で起こった現象である。

やがてこうした噂を聞き、テレビ局が取材にやってきた。
撮影の日、カメラが回っている間も
こうした現象は次々起きたが、
それを撮影しようとカメラを向けるとピタッとやむ。
そして写っていない場所で何かが降ってきたり
物が飛んだりするのだ。
まるで写るのを嫌がっているかのように。
そして床には小石のメッセージも出現した。
「NO CAMERA」、「NO TV」と書いてある。
あきらかに何者かの意志が繁栄されているようだ。
結局こういった現象は
三つ程度しかカメラに納めることは出来なかったが、
それでもこの番組が放送された時には大反響を呼び、
視聴率もかなりのものだったらしい。
その後の調査で分かったことだが、
こういった現象は夫妻が引っ越してくるまでは起こっていなかった。
そして夫妻は以前住んでいた家で同じような現象を体験していた。
ということは、これらの現象は、家についているものではなく、
夫妻についているものということだろうか。

しばらく経ってこの夫妻は、
テレビの影響で住みずらくなったせいか、
とうとう引っ越してしまった。
そしてこの家は今も空き屋になっている。