「お前さ……。それ本気で叶うとでも思ってんの?
そもそもそういう根拠のない……」
「まあ最後まで聞けって。そのアプリに入力して、
本当に叶ったっていうレビューがあるんだよ。それも何万件も」
「まあ、業者だろうな。自作自演ってやつだ」
「いや、それがTwitterでも話題になってるんだよ。
とにかく、そんなにレビューがあると信憑性があるだろ?
ちょっとそのアプリ入れてみね?
俺一人でいれるのちょっとびびっちゃってww」
トオルの話を聞いている途中に、マーケットで検索してみると
確かに存在する。
ダウンロード数10万越え……。アプリ公開日は一週間前。
……一週間前!?一週間にしてはダウンロード伸びすぎだ。
やっぱTwitterってすごいなと感心。
「コレ?『Desire App』ってあるけど」
「あーそれそれ!ちょっとダウンロードしてみて!」
俺もトオルの話と、ダウンロードの伸び、そしてTwitterでの反響。
入力欄に願いを書くだけで叶うなんて全然信じられないが
ダウンロードすることにした。
10%…25%…40%………95%…100%
「とりあえず入れてみたけど」
「おお!じゃあ起動起動!」
特にウイルスやそういうものは無いらしい。
まあ何かあったらアンインストールすれば良い。そう思ってた。
さっそくアプリを起動。
『ようこそ!Desire Appへ!』
画面上部に文字が映し出される。
『既にあなたの個人情報は携帯端末を通じて取得済みです!』
「は!?何それ!超怖いんだけど!」
俺は驚いた。そりゃそうだ、勝手に個人情報が云々って…。
「とりあえず落ち着け!最後まで見てみようぜ」
トオルは自分がアプリをいれてないからか、気楽だった。
『
『下記の規約の範囲内の願いであれば、何でも叶うことになります』
規約か…、まあそりゃあるだろうな。
『<利用規約>
(1)…金銭に関する願いは一回につき、1万円とします。
(2)…金銭に関する願いは一回使用すると一週間は使用できません。
(3)…過去に関する願いは効力がありません。
(例)「昔に戻りたい!」「死んだ母親を生き返らせたい!」等
(4)…Desire Appを使用により発生したトラブルには
当方はいかなる理由でも関与しません。
(5)…Desire Appを使用した人は当方の方針に
同意したということと判断します。
<利用規約> 終』
「……え?」
トオルと思わず顔を合わす。
「いやいやいやいやwwwww」
「規約おおざっぱすぎるだろwwww」
お互い思わず笑いがあふれる。
これは神アプリ!と思った。
だが実際にまだ願いを入力していない。
本当に叶うのか確かめてみよう。
「トオル、お前なんか願いない?」
「んー、じゃあ、このファミレスの店員からメアドを渡される!とか?」
「お前wwwwとりあえず入力してみっか」
利用規約の下に
『利用はこちらから!』というボタンがある。
そこをタップする。画面が替わり、
質素な入力画面だけがある画面になった。
「…現在居るファミレスの店員からメアドを書いた紙を渡されるっと」
入力画面の下に<Desire判定>というボタンがある。
とりあえずここしか押すところが無い為、タップする。
『Desire判定 <Level 1> 願いを叶えますか?』
Yes と No のボタンがある。
だが少し落ち着け。
Level1…?そもそもDesire判定ってなんだ?
「これなんだと思う?」
俺はトオルに問いかけた。
「んーなんだろ、つかここに小さく<Desire判定表>って
いうのあるから見てみよーぜ」
「お、気付かなかったわ」
確かにトオルが言うとおり、<Desire判定表>というボタンが存在した。
とりあえずタップしてみる。
『Desire判定表です。ご利用は慎重に』
画面上部に文字が現れる。下には表があった。
(Level 1~10)
あなたの周りの物体が無くなります。
Levelが上になるにつれ貴重な物になります。
「ちょっと待て!どういうことだよこれ」
「たぶん願いは叶えるけどその代わりに失う物があるってことだろ」
トオルの言う通りで間違いない。確かにそうだ。
よく考えてみれば、願いを叶えてるだけじゃ割に合わないだろう…
まだ表は下に続いていた。
(Level 11~20)
非公開(物)
(Level 21~30)
非公開(生物)
(Level 31)
非公開
「非公開って…」
「じゃあ書くなよって話だよな」
「トオル、とりあえずこれ意味わかんないわ」
「まあとりあえず、判定はLevel1~31まであるってことだろ?」
「ああ、んで1~10はそんな危険じゃなさそうだな。物体だし」
「ましてやLevel1なんてたぶんティッシュとかそこらへんだろwww」
「おいwww」
なんて俺らは冗談を言い合っていた。
だがしかし・・・
そんな甘い話ではなかった。
続く。

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