福島県から上京して、部屋を探しをしました。
いくつかの候補の中から
大学に近いこともあり
飯田橋に近い場所のマンションを
借りることにしました。
また飯田橋にしては
明らかに家賃が格安だったことも
好印象でした。
築20年ということですが、
家賃と立地場所を考えると
間違いなくお得な物件だと思います。
しかし、
後から知ったことなんですが･･･。
数ヶ月前まで、この飯田橋付近で
猫の惨殺事件が多発していたというのです。
犯人は猫を捕まえては
自分のマンションにつれていき
風呂場で悪いことをしていたんだそうです。
そのあることをしていた部屋･･･
それが、
僕が借りたこの部屋だったんです･･･。
そして僕は少しだけ霊感があったので
それがこれからの怖い体験につながるんです。
その部屋は僕が最初に泊まった夜から
何かが変でした。
猫の鳴き声のようなものが
聞こえるんです。
ﾆｬｱ･･･
気のせいかなと思っていると
３階の部屋なのに
窓のガラスに一瞬猫の影が
見えたり･･･
気味が悪いというより
ウザイぐらいにしか
思わなかったんです。
しばらくして風呂にでも入って
気を静めようと
湯船にお湯を溜めて
お風呂につかっていたときです。
ﾆｬｱ･･･
また猫の声が聞こえました。
風呂のドアのすぐそばで声がした。
耳をすましていると
ﾆｬｱ･･･
今度は、僕が今いる
浴室の中で聞こえました。
これは気持ちが悪かったです。
すると
ニャア･･･
声が大きくなりました。
声の出どこも近くなったような
気がします。
湯船につかったままの僕は
そのまま浴室内を見回していると
「ニャーッ！」
湯船のお湯の中から５０本ぐらいの
猫の手が突然出てきました。
そして、その猫の手が僕を押さえつけて
お湯の中へ引きずり込もうとします。
たくさんの肉球と爪が僕を
どんどん湯船に沈められていきます。
「助けてっ！」
叫んでも誰も来てくれません。
ニャーッ！ニャーッ！
浴室内は猫の声で充満しています。
僕の鼻と口は、猫の手と風呂のお湯で
ときおり塞がれ、苦しい･･･
「神様っ！」
だめっ、効かない！
「オン・バサラ・タラマキリク！」
災いを遠ざける呪文、これも効かない！
そのとき、ある言葉を思い出しました。
はやく言わないと！
「ワン！」
その言葉を発した瞬間に
僕を押さえつけていた
沢山の猫の手が消えました。
猫の声も聞こえません。
「勝った･･･」
しかし、勝ったとはいえ
これほど猫の怨念が強く残っているとは･･･。
何か対策を考えねば。
翌日、僕の部屋は
犬のぬいぐるみ、犬の写真、犬夜叉のＤＶＤを
部屋いっぱいに飾りました。
効果テキメンで、それ以降
猫の霊に悩まされることはありませんでした。
≡･ｪ･≡ ﾆｬﾝﾆｬﾝ
◇ この話はすべてフィクションです。
※2010年5月25日の記事の再掲載です。
犬対猫！と言えば････
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