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「アステカの祭壇」とは、インターネット上で
検索してはいけない言葉の一つである。
発端と顛末
今も放送中のフジテレビ系列の『奇跡体験!アンビリバボー』。
かつては心霊・怪奇現象、UMA(未知生物)などを心躍る超自然の現象を
多く取り扱っていたが、ある時を境にコーナーそのものが無くなってしまった。
その原因とされているものが、アンビリバボー宛てに寄せられた写真にあった。
その写真には、赤い色をした台形か壺型を思わせる影が写り込んでおり、
霊能力者の鑑定と共に番組で紹介した。
すると、全国から同じような写真が次々と送られてきた。
撮影された日時も場所もバラバラなそれらの写真にも、最初の1枚と同様に
赤い色の影が写り込んでいた。
それらの写真もあわせて紹介したところ、多くの霊能力者を称する人間から
放送への抗議が寄せられたという。
赤い影は「アステカの祭壇」と呼ばれる不吉なものであり、
見たものに不幸をもたらす…と。
恐れをなしたアンビリバボーのスタッフは「アステカの祭壇」写真を封印し、
さらにはコーナー自体を打ち切った。
話に差異はあれど、大体このような感じだろう。
真相
霊能力者たちから抗議の声が寄せられたという話はソースそのものが
存在しないため真偽は不明。「アステカの祭壇」という名称も
ネット上の匿名の書き込みによって名付けられたものだという。
写真そのものは紛れもなく本物だが、赤い影は「アステカの祭壇」でも
何でもないただの現像ミスである。
では何故コーナーそのものが無くなったのか。
ひとえに自分たちの保身のためだった。
写真が多く送られてくるのと同様に、写真屋からの
「フィルム巻き上げのミスによって生じた焼き付き」との意見も寄せられた。
さらに、多くの写真家や複数の科学雑誌が同様の手法で「アステカの祭壇」を
撮影したことがとどめとなった。
些細な撮影・現像のミスが原因だったことがバレると、何より困るのは
取り上げた側の人間だ。
「アステカの祭壇」という有りもしないもので恐怖を煽った自分たちの責任の
所在が問われるだろうし、当然番組も打ち切られ、最悪局の処分にも発展するだろう。
だったらもっともらしい理由をでっち上げて、コーナーそのものを
打ち切ったほうが傷は小さくて済む。
よく考えてみてほしい。
一連の「アステカの祭壇」にまつわる逸話とその出処を。
誰が、いつ、どこで語り始めたのか。話の根拠となるソースはなんだったのか。
いつの頃からかネット上で当たり前のように存在し、一部を除いて誰もが
その逸話を事実だと信じ込んでいた。
極端な推論になるが、不手際を隠したいがために誰かが話をでっち上げたのだとしたら、
これほど恐ろしいものはない。
† 『アステカの祭壇(笑)』の撮影方法 †
3 :本当にあった怖い名無し[sage]:2008/07/21(月) 14:57:01 ID:u8zPrx9G0
【『アステカの祭壇』風の写真の作成方法】
用意する物…35mm版のレンズ付きカメラ(写るんですタイプの使い捨てカメラ)
※APS方式ではやった事ないので出来ないかも。
手順
①とりあえず風景でも人物でも良いからフィルムエンドまで撮りきる。
②自分でカメラを覆う紙を破棄する→プラスティックのボディーのみの状態にする。
③ボディーは、はめ込み式になっているので、若干だけ本体に隙間を開ける。
ここがポイントで完全に開けるのではなく、10~20ミリだけ隙間をあけ、
次の瞬間にすぐ閉じる(←大事)。要はこの行為によって、
フィルム上の最後の撮影済みのコマに光を斜め方向から感光させる事ができる
(チカラ技での多重露光)。
④ボディーをきちんと元に戻してから(光が入りそうな場合はテープで止める)、
フィルム巻き上げダイアルを「巻き上げ限界点」からさらに無理やり回し、
負荷がなくなるまで回しきる。これで外に出ていたフィルム(最後のコマ)が、
完全にフィルム本体に入る。
⑤今度は完全にカメラ本体のはめ込みを解除し、フィルム本体を外に取り出す。
⑥フィルムを写真屋に持ち込み、現像・プリントを依頼する。この時大事なのは
『必ず全部のコマをプリントして下さい。真っ黒や光が入っているコマも
かまわないからプリントして下さい。』と念を押しておく事。
写真屋によっては明らかに撮影ミスとわかるコマはプリントしない場合があるため。
巷に流布した『アステカの祭壇』写真は、写真屋さんが上記④の作業を行わずに
間違って上記③の行為を行い偶然出来たものと思われる。
そのミスをお客に説明せずに、写真を渡しているはず。
ちなみに黒い『祭壇』部分は、カメラ後部の蓋か、もしくは分離したカメラ本体部分のみが、
光をさえぎっているために出来る影にあたると思う。
アステカも含めた過去の幾つかの文明では、神の生贄になることは
“名誉”でこそあれ恥ずべきものではないから、ちょっとでも歴史をかじってれば
「生贄の祭壇」が不吉なものなんて考えには至らないんだけどね。
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