なにか言いたそうだ
男「なんですか?」
霊子「脱いだりとか・・・そういうのはダメです・・・」
それは・・・
男「それは・・・脱がせってことですか?」
霊子「ばかっ!!」
べちんっ!!
手袋をした手でビンタされた
男「ぐはっ!」
意外に強くて痛かった
そのまま霊子さんは押し入れに入って引きこもってしまった
霊子『ばかっ!!変態っ!!』
怒らせてしまった。
調子に乗りすぎたな・・・
・・・・・
結局俺たちは一つの部屋で共同?生活を始めることになった
男「ただいま・・・」
霊子「あ!お帰りなさい!」
霊子さんはいつも台所に立ちながら笑顔で出迎えてくれる
男「あ・・・うん・・・」
最初はこんなことになるなんて思わなかったからなぁ・・・
調子が狂いまくりだ
ポストには宅配便の不在表が
男「霊子さんまた何か買ったんですか?」
霊子「あ、そうそう。宅配便のお兄さんが来たんだけどね、『いますー!』って
言ってるのにずーっと『おるかー?、おるかー?』って」
最近霊子さんは俺のパソコンを勝手に使ってネットショッピングをよくやっている
口座は自分のらしいから別にいいけど
電話して荷物を再配送してもらう
霊子「いつもすみません」
男「別にいいですけど・・・どうにか工夫して自分で受け取れないんですか?」
霊子「そうですよね・・・。そこで今回のお買い物です」
また何か変な物をかったのだろう
前回は変な置物だった
なんか霊が見えるようになる効果があるとか・・・
今回は何を買ったのだろう?
ピンポーン
男「来た」
届いたのは結構大きめのダンボールだ
男「なんですか?」
霊子「なんだかんだで男さんも私のお買い物を楽しんでますよね」
確かに毎回毎回へんな物が届くことに変な楽しみを感じていた
男「いいから、何買ったんですか?」
霊子さんがダンボールを開けると
霊子「まずはこれ」
男「エプロン?」
身体に当ててクルクルと回る霊子さん
男「それくらいなら料理してもらってるお礼に買ってあげるのに」
霊子「男さんセンスないから・・・」
悪かったな・・・
男「で、まだなんかありますけど?」
さらにダンボールには何か入っている
霊子「これですよ。」
出てきたのは目出し帽と全身タイツ
霊子「こうやって、全身タイツを着て目出し帽をかぶれば」
コナンの犯人の完成である
霊子「これなら普通の人にも見えますよね」
男「怪しすぎるわ!」
と、まぁこんな感じで二人の生活をエンジョイしていた
大抵俺が帰って来るのにあわせて夕食ができている
男「今日は何なんです?」
霊子「焼き魚です」
香ばしいいい匂いがする
霊子さんが生きていたらいい嫁になったかもしれない
そう思ったらもうすでに死んでいることが残念に思った
それに隣の部屋がやけに騒がしい
たしか俺と同じで一人暮らしだったはずだが・・・
ドン!
とりあえず壁ドンで抗議しておく
霊子「ん?なにか怒ってます?」
最近雨ばかりで気がたってるせいかもしれない
男「あ、いや!うまそうだなって喜びを体で表現しただけ」
夕食を二人で食べてしばらくテレビを見た後霊子さんは自室(押し入れ)へと戻っていった
男「霊子さんは・・・もう死んでるんだよなぁ・・・」
あまり考えなっかったが・・・
俺は彼女に直接触れることは出来ない
なぜなら、彼女は死んでいるから
そういえばなんで死んだのかとか聞いたことないな
てか、霊子さんは自分のことをあまり喋らない
いまはもう寝てしまったようだから明日聞こう
時刻は午後11:20
俺も色々やらなければならないし
男「あ・・・?」
また声がする
霊子さんだ
男「まだ寝てなかったんですか?」
答えない
霊子『私は死んだ・・・?』
霊子『なんで?』
霊子『いつ死んだ・・・?』
霊子『どうやって?』
男「おうっ・・・!?」
いつもの明るい霊子さんの声ではない
とても暗く・・・寂しい自問が続く
霊子『嫌だ・・・嫌だ嫌だ嫌だ・・・』
俺は恐怖で声をかけることすらできなかった
翌朝
霊子「おはようございます!」
いつもの霊子さんだ
男「昨日なんであんな独り言言ってたんですか?」
正直めちゃくちゃ怖かった
霊子「独り言?」
男「ほら、押し入れに入ってから・・・」
霊子「?」
そのあとも何度も聞いたが完全に寝ていたらしく寝言だったらしい
寝言でもこえーよ
男「あと、霊子さんって元々どこの人なんですか?」
霊子「え・・・・・?どうしてですか?」
男「いや・・・なんか成仏するためのヒントにならないかなって」
霊子「えっと・・・・・・」
男「あとは・・・どうやって死んだかとか」
霊子「・・・・・・」
急に暗い顔して喋らなくなってしまった
男「どうしたんですか?」
霊子「こんなこと言ったら気持ち悪いって思うかもしれませんけど・・・」
男「気持ち悪い?」
意を決したように
霊子「私生前男さんのこと知ってるんです・・・多分」
<続く>
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