ゴシック建築の美しい教会が建設されました。これがロレットチャペルです。
チャペルの天井は吹き抜けになっていて、後方には聖歌隊用に2階の桟敷が設けられています。
しかし、この桟敷に登るための階段がありません。実は、礼拝堂が小さいので
階段を取り付けるスペースがなかったのです。
そこで、聖歌隊の席に登るために梯子が用意されましたが、修道女達は梯子を使うことを
とても怖がりました。
そして、9日間の祈りに入りました。その祈りは聖母マリアの夫である聖ヨセフに
捧げられたそうです。なぜならヨセフの職業は大工だったからです。
9日間の祈りの最後の日、どこからともなくロバを連れ大工道具箱を持った白髪の男が
訪ねてきました。そして、ハンマーとのこぎりとT定規というわずかな道具で、
スペースがないチャペルに場所を取らない螺旋階段を作り、聖歌隊の桟敷に
安全に昇り降りができるようにしてくれました。
この階段は33段、完全に360度を2回転するらせん状になっています。
木の釘は使われていますが、鉄の釘は一本も使われていません。
そして驚くことに、螺旋階段を支えるはずの支柱がなく、まるで宙に浮いているようです。
螺旋階段を作った男は賃金も受け取らず消えたそうです。
支柱のない螺旋階段は、現在の科学を持ってしても建築工学上の謎であり奇跡なのです。
螺旋階段には手すりがありませんでしたが、乗り降りするたびに上下にゆれるので、
修道女達の希望で後に手すりが取り付けられました。
そして85年間もの長きに渡り毎日使われてきましたが、現在は保存するために
使用が禁止されています。
しかし、
唯一つ例外があります。
それは、
ここで結婚式を挙げたカップルだけは、この奇跡の螺旋階段に登り
記念撮影を撮ることができるのです。
どうですか、ロレットチャペルで結婚式を挙げてはいかがですか?

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