今回は「ロンドンの3悪人」と呼ばれている内のひとりに、
バネ足ジャック(Spring Heeled Jack)
と呼ばれて恐れられた男がいた。

バネ足ジャック(1890年頃のイラスト)
バネ足ジャック。
切り裂きジャックと同じく、史実の事件が元になって生まれた都市伝説的存在であるが、
こちらはより幻想的な存在である。
このバネ足ジャックと呼ばれる男の正体は今もなお存在が確認されていないが、
数少ない証言によると、「銀色の衣装に身を包み、消防士と偽り、出てきた相手に
炎を吹きかけたり、ナイフで刺したりして逃走した」という。
また、連続するバネ足ジャックの事件現場に駆けつけた警官は、
「バネ足ジャックが数メートルの高さの壁をいとも簡単に飛び越えたらしい」と証言した。
ヴィクトリア朝末期という時代にはこのような快楽的犯行を行う者がおり、
この男こそバネ足ジャックではないかとも言われている。
そしてその年を含む数年間はこのような事件が多発していた。

逃走する「バネ足ジャック」を描いた絵画。
バネ足ジャック(Spring Heeled Jack)は、切り裂きジャックの数十年前に出現した、
史実の事件が元になって生まれたヴィクトリア朝時代のロンドンの都市伝説的な存在です。
彼が最初に姿を現したのは1837年10月11日の夕方。
ロンドン南東部のブラックヒース地区中心部に位置する小高い丘陵にあるホテル
「グリーンマン・イン」のウェイトレスをしていたポリー・アダムズ(17)という娘が、
同ホテルのオーナーの息子であるトム・エヴァンス(18)と秋の収穫祭に一緒に
出かける約束で、シューターズ・ヒル・ロードという雑木林が続く人気の無い寂しい山道を、
待ち合わせ場所の街へ向かって下っていた。
ちょうど、ホワイトフィールド・マウントと呼ばれる奇形な大岩の脇を通り過ぎ様とした
その時、ポリーの行く手を阻むかの様に、黒い影が突如として岩の背後から道の中央に
飛び出してきた。
マントをひるがえしたその人影は、人間業とは思えない跳躍でポリーに迫ってきた為、
彼女は恐怖のあまり悲鳴も出せず、足も動かずその場で立ちすくんだ。
そして、そいつが近づいてくると、ポリーは更に仰天した。
それもそのはず、バサバサと音を立てるマントの主は、悪魔の様な赤黒い異形の顔で、
真っ赤に燃える様な眼は瞬きもせず、鼻は高く尖り、口からは青い炎を吐いていたのだ。
目の前にたったそいつはすぐには手を出さず、ポリーの事を凝視し、
強い硫黄の臭いを放つ炎を吐き出す度に、彼女の顔を熱した。
この空飛ぶ怪人の正体は「宇宙人説」「金持ちの奇人の犯行」などが
あげられるのだが・・・・
1837年、大英帝国の首都ロンドンに、女性ばかりを狙って悪戯をする犯罪者が
現れた。脚に「バネ足」を仕込み高く跳び上がり、目と口を光らせ、
奇怪な声で笑う怪人物は、イギリス国民から「バネ足ジャック」と
呼ばれ恐れられた。
しかし、1838年春、犯人は逮捕されることなくその姿を消した。
それから3年後の1841年、「バネ足ジャック」は再び姿を現した。
悪戯ばかりでなく女性を殺害する殺人鬼となって……。
バネ足ジャックを主人公にした『黒博物館スプリンガルド』
(くろはくぶつかんスプリンガルド、英題名The Black Museum Springald)は、
「モーニング」(講談社)に2007年5月24日号(26巻23号)から2007年6月28日号
(26巻28号)まで連載された 藤田和日郎の青年漫画作品です。



バネ足ジャックのの存在は今も分かっていない。
.