男と少女「今日から貴方が私の彼氏ですか?」5 | Let's easily go!気楽に☆行こう!

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映画、写真、B級グルメ、格闘技、そして少しばかり日常を語る雑記帳です。

少女『その人のことが本当に好きじゃないと、

アクセスできない仕組みになってます』

男「え?」

少女『ですから、告白される側は安心してお付き合いできる

……はずなんですが』

男「あー、どうやって好きかどうかを判断してるんだよ?」

少女『このサイトのトップページに書いてます!!』

男「アドレスくれ」

少女『むー……どーぞ!!』

男「手書きかよ……えっと……」








少女『ちゃんと読んでください!

……あ、あと良ければ私の紹介ぶ―――』

カチッ

男「……ん?」

カチカチッ

男「あった……えっと……」

男「このサイトで告白をする場合について」

男「相手のアドレスを入力し、トップページに行ってください。

その際、告白認証が行われます」

男「認証時、相手のことを深く想っていなければ

認証ができませんのでご注意ください」

男「……気味悪いな」

男「人の感情をどこで……?」

男「……このサイトでは感情感知システムを試験導入しています?」

男「……うさんくせえ」


男「……」

カチッ

少女『お分かりいただけただろうか?』

男「……そんな低い声出すなよ」

少女『で、どうでした?』

男「感情感知システムって言うのか?

あれの意味がよくわかんないんだが」

少女『なんでもパソコンを通じて感情を数値化してるらしいですよ?』

男「どこから?」

少女『マウスとかキーボードからですかね?』

男「怖いし、誤作動でまくりだろ。今回みたいに」

少女『……』

男「あ、えと」

少女『あの……私のことどうでもいいなら、

もう別れてくださいよぉ!こっちも辛いんですから!!』

男「えー……それは嫌だな」

少女『お……そ、それって……私のことが……

す、き……?』

男「いや、なんか面白い」

少女『あーそうですか!!私は貴方にとってピエロですか!!

玉乗りでも仕込みますぅ?!』

男「怒るなよ」

少女『じゃあ、好きなんですか?』

男「いやさ、こう画面越しで会話してるだけだし、

まだネット上で会話してるだけだろ?」

少女『ええ、まあ』

男「直接会って話さないか?」

少女『え!?もう結婚ですかぁ!?』

男「はぁ!?」

少女『あ、いやぁ……それは話が飛躍しすぎっていうかぁ』

少女『で、でも……その……面倒をきちんとみてくれるって、いうなら

……いいですけどぉ』

男「結婚って……まさか!!」

少女『あは~、挙式は洋風がいいですけ―――』

カチッ

男「……あ、書いてる。直接会うときは、

結婚を決めたときのみにしてください、か。

でも、会うぐらいならバレるわけないだろ……」



男「……」

カチッ

少女『――で、お色直しは最低でも2回はしたいですよね~』

男「おい」

少女『あ、はい?』

男「このサイト、監視でもされてるのか?」

少女『はい。偶に変な事をお願いする人もいるみたいなんで』

男「さっきアドレスを手書きでみせてきたよな?」

少女『それが?』

男「このサイトからじゃアドレスの受け渡しはできないのか?」

少女『はい。個人使用のアドレスは全部ダメです。

渡そうとした瞬間に通信が切られます』

男(どんなサイトだよ……プライバシーもあったもんじゃないぞ)

少女『あの、どうかされました?――で、いつ会います?』

男「あ、ごめん。じゃあ、会うのはキャンセルで」

少女『結婚詐欺だぁ!!うわーん!!』







――夜

少女『――で、友達が『それはピーマンだろ!』っていって、

もうおかしくて、あはは!』

男「そろそろ終わるか」

少女『あ、そ、そうですか?』

男「君、学校は?」

少女『え?』

男「え?じゃなくて明日学校あるんじゃないのか?」

少女『ありますけど、それがなにか?』

男「なら早く寝た方が」

少女『それもそうですね』

男「……」

少女『なんです?』

男「いや……おやすみ」

カチッ

男(そういえばこの子はいつも画面の向こうで

俺のことを待ってるのか……?)







――翌朝

男「朝の9時……普通なら学校に行ってるよな」

男「……」

カチッ

男「……え?」

少女『あ、おはようございます。

今は少し、静かにしててくださいね?』

男「君、学校は?!」

少女『今、授業中です』

男「……」

少女『あ、はい。―――えと、58です』

男(本当に授業中かよ)

少女『なんですか?』

男「勉強、頑張ってくれ」

少女『うっす!』

男(小型のパソコンとかか……?)







――夜 街

男「お疲れさまでした」

「おつかれちゃーん」

男「……」

店員「今ならノートパソコンが17500円でーす!!」

男「……」

店員「どうですかぁ!!最新のモバイルパソコンですよー!!」

男「あの」

店員「はい!?」

男「どんな感じなんですか、それ?」

店員「あ、えっと、電子辞書サイズなんですが、

こうして広げることもできるんです」

男「ふーん」

店員「どうです?」

男(そこまでする必要もないよな)

男「また来ます」







――自宅

男「なあ」

少女『ふぁい?』

男「食べながら会話するか、普通?」

少女『食事時を狙ってくるからじゃないですか』

男「ところで君が使ってるのってパソコンなのか?」

少女『はい!お見せることはできませんけど、

最新のノートパソコンです』

男「小さいのか?学校にも持って行ってたみたいだけど」

少女『手の平サイズです』

男「うそだろ?」

少女『電子辞書と一緒ぐらいですかね。

告白されたときに買ったんですよ』

男「なんで?」

少女『だってぇ、会いたいときに

会えない女だと思われたくないですからぁ』

男「ふーん」

少女『ふーんって……』

男「それいくらで買った?」

少女『もう大特価でした!!なんと3万円です!!』

男「……」

少女『いやぁ、なんかすごいお得な感じでしたね』

男「今なら半額ぐらいになってるぞ?」

少女『えぇ!??どこでですかぁ!?!』

男「それ言ってもいいのか?」

少女『あ、ダメです。場所を特定するような会話も禁止なんで』

男「だよな。その店はよくいくのか?」

少女『えっと、ネットで知りました』

男「そっか」

少女『それにしても半額ですか……・

なんか損した気分ですね。あ、よければ一緒のパソ―――』

カチッ

男「あ、ブラウザ間違って閉じちゃった……」

男(でも、意外と近くに住んでんのかな?)








続く