幽霊「行くの私も。学校!!」
男「僕の大学に?」
幽霊「うん」
男「僕と一緒に?」
幽霊「うん」
男「……いいですよ一緒に行きましょう」
幽霊「本当!?やったー」
男「(どうしようちょっと嬉しい)」
幽霊「わーいわーい」
―大学―
男「…」
幽霊「…」
ザワザワ
男「…」
幽霊「…」
ワーワー
男「…」
幽霊「…」
キーンコーンカーンコーン
男「…はぁ終わった」
幽霊「(うわぁ…大学って全然面白くない…)」
男「ただいまー」
幽霊「ただいま…」
男「あれ?元気ないですね幽霊さん」
幽霊「ん…」
男「どうしたんですか?大学行って疲れました?」
幽霊「あんたさぁ…」
幽霊「友達いないんだね…」
男「う…それは…いないような…いるような…いないような…」
幽霊「いないんだね…」
男「…はい…」
幽霊「なんか今日学校でのあんた見てたらね」
幽霊「自分が生きてた時のこと思い出したの」
男「幽霊さんが生きてた頃?」
幽霊「うん…よくわからないけど…
なんかあんたによく似た状況のような気がするんだ…たぶん」
男「幽霊さんちょっと待って」
男「なんか曖昧だよ。『気がする』って?どうして推測なの?」
幽霊「実はね」
幽霊「私生きてた頃の記憶がないの」
男「予想外の展開」
幽霊「でしょうねえ」
男「そういえば幽霊さんは自分が生きてた頃のこと、
1度も僕に話したことないですよね?」
幽霊「うん」
男「つまりそれは自分でもわからないから?」
幽霊「そう。思い出せないから」
男「わあ」
幽霊「気付いたらこうだったの。
自分の名前も歳も住んでたところもわからない」
幽霊「ただ確かにわかるのは死んでるってことだけ」
男「わあ」
幽霊「でも今日一つ思い出せたような気がするよ!」
男「それ…幽霊さんにも友達が」
幽霊「いないってこと」
幽霊「でもあんまり嬉しい情報じゃないな、ニシシ」
男「幽霊さん…」
幽霊「まぁいいじゃないの!ぼっち同士仲良くやりましょ!」
幽霊「ほら!マリオカートやるの!はやくこっち座って!!」
男「幽霊さん…」
幽霊「早く早く!!」
○月×日(金)
今日は幽霊さんと一緒に学校に行った。
幽霊さんはつまんなさそうにしてた。
でも僕はいつもよりは楽じかった。
帰るときあの子がチラッと見えたけど
幽霊さんがいたので何も出来なかった。
幽霊さんは自分の生きていた頃のことを何も知らないと言った。
僕と同じに友達があまりいないみたいだ。
わかっているのはそれだけ。
翌日 土曜日
男「幽霊さーん?」
男「おはようございまーす幽霊さーん?」
シーン
男「いないのかな…?」
カリカリカリ ゴソゴソ
男「おっ」
男「なんだ幽霊さんベランダにいたんですか」ガラガラ
猫「にゃーん」
男「…なんだお前かあ」
男「今日は休みだから一日中将棋の相手してやろうと思ったのに」
猫「にゃーん」
男「僕が暇な時はほったらかしかよ、なあ?」
猫「にゃーん」
男「はぁ…」
男「まぁいいや!せっかくの休みだし」
男「幽霊さんがいない内にやりたかったこと色々やっちゃお!!」
猫「にゃーん」
………
……
…
幽霊「(あれ)」
幽霊「(ここどこだ)」キョロキョロ
幽霊「…」
幽霊「あのアパートじゃない…」
幽霊「…うわっ!趣味悪い壁紙…薄暗くて気持ち悪い。幽霊出そう」
幽霊「ん…?私…この部屋知ってるなぁ」
幽霊「えーと…!どこだっけ…!?」
幽霊「思い出せ思い出せ~!」
幽霊「う~~~~~~~っ」
幽霊「ダメだ…わかんない」
幽霊「なんだか…くらくらしてきた…なんだろ」
幽霊「足が…重たい…動かない…うぅ」
幽霊「あ…あれ…?」
幽霊「あそこで寝てる人……どっかで見たことある…!!」
幽霊「う…」
幽霊「(あの人に聞けば何かわかる…気がする…)」
幽霊「…!……!!」
幽霊「(…ダメだ……!別の場所に…飛ばされちゃう…うあ…)」
…
……
………
○月×日(土)
今日は幽霊さん一度も顔見せなかった。
一体どこ行ったんだろ?
せっかくだから久しぶりにコレクションの整理とかエロ画像収集とか
最近撮った写真でアルバム作ったりとか
あ~あとは…えーと
まぁいいや!充実した休日だった!
明日は幽霊さん来るだろうか
続く
.