新・男と幽霊少女 3 | Let's easily go!気楽に☆行こう!

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映画、写真、B級グルメ、格闘技、そして少しばかり日常を語る雑記帳です。

幽霊「……最後の足掻き……聞いてあげる……ふふっ」

男(もうやめてこわい……ってよし、体動く!

けど最後の足掻きにしてたまるか!)

スクッダッシュ

幽霊「待ーてぇー!!」

 カチ パッ!

幽霊「まぶしっ」

男(電気付けたら動きが止まった!?

やっぱり幽霊は明るいところが弱いのか?)







男(いやそれより塩!

1番有効なのって塩だろやっぱり!)ガサガサ

男(調理用のしかないが予備の二袋抱えてりゃ……!)

幽霊「……すみません……お願いします、お願い……

明かりを消してぇ……」

男(怖いのか怖くないアホなのかハッキリしてー

……俺の精神的に助かるけど。もうそのまま消えてくれ)

幽霊「お願いします……」

男「こっちの話が先ですが構いませんか」

幽霊「明かりを消してくれるなら構いません!」

男(電気ってすごい)





――説明中――

幽霊「そんなはずは!」

男「ちひろさんでしたっけ、こっちの方角はわかります?」東指サシ

幽霊「西でしょう、馬鹿にしないでください。祟りますよ」

男(oh....勘弁してくれ)

――説明終了――




幽霊「申し訳ありませんでした……!」

男(幽霊の土下座、Part2!)

幽霊「もう来ませんから、本当に申し訳ありません」

男「いえ……で、ちひろさんはなんで▲▲さんに復讐を?」

幽霊「復讐といいますか、やり返しをしておこうかと思ったんです……」

男「やり返し。首絞められたんですか、▲▲さんに」

幽霊「はい、SMプレイの時に絞められすぎてこうなりましたから。

次は私がSを、と」

男「…………。今度こそ一緒に、は?」

幽霊「えっ……そのあの、フィニッシュです……恥ずかし!」ポッ

男(あれー?俺の幽霊像が全力でぶち壊されていくよ?

というかこんな奴に殺されかけたのかよ、俺)

男「怒りながら▲▲出せ、道連れにされたいのか!ってのは…」

幽霊「▲▲に先にイってほしいですけど、

道連れで貴方からイかされたいんですか、という意味です」

男「でもそれイったら、ちひろさんみたく逝きますよね?」

幽霊「やり返しですから、そうですね」

男(怖くないけど怖いんだが、なんなの幽霊はやっぱり幽霊なの)

幽霊「明かりはまだ消してくれませんか、目が痛いです」

男(目とか髪に隠れっぱなしだろ……消したら逝きかねないのに消せるか!)

男「つかぬ事をお聞きしますが、塩って大丈夫なんですか?」

幽霊「ロウソクを垂らされていたんじゃなかったんですね、これって塩ですか」

男(塩は役立たず、と)

男(というかもういいや、その男の所に連れていけばいいんだろ。

▲▲最低男みたいだし)

男(自業自得、だよな?)

男「ところでちひろさん、貴女その格好ですし、中だか高だかの学生ですよね?

SMとかハードすぎやしませんか」

幽霊「コスプレです」

男(うそん)

男「……とにかく事情はわかったんで、

目的の▲▲さんのお宅に向かってほしいんですよ。俺としては」

幽霊「もちろんそのつもりです!すみません、長居しました」スゥ-

男「待って!二度あることは三度あるから待って!!」

幽霊「えっ?」

男「確実にまた俺の家に来て俺にSM仕掛ける気がするので、

もう俺が案内します」

幽霊「本当ですか!自信なかったんです!」

男「道すがら▲▲の酷いエピソードでも聞かせてくださいよ、

俺が決心出来るように」

幽霊「決心?よくわかりませんがお任せください、

エピソードは掃いて捨てるほどありますから」

男(なんで俺、こんなことに巻き込まれたんだろう……神様、俺が何をした)





――外

男(鍵閉めたし泥棒の心配はなし、っと)テクテク

幽霊「それで彼ったら14股しててね、」フヨフヨ

男(鬱憤たまってたんだなぁ、話が止まらない。

髪の毛ボサ子じゃなく目も隠れてなければまだ可愛いとも思えただろうに)

幽霊「私の書いたラブメールをチェーンメールにして回したり、」ペチャクチャ

男(……▲▲すげえ。なんか色々通り越しててすげえ。自業自得すぎる)

幽霊「最後は愛してるっていいながら愛のあるSMでぎゅっと!」

男(あれ、よく聞いたらちひろさん嫌われてね?

面倒になったから始末されたんじゃね?)

幽霊「ちょっとSすぎるけど惚れちゃったから仕方ないですよね……」

男(うわぁ、▲▲が悪いけど、ちひろさんもうわぁ)

男「えーと、二丁目ですよね」

幽霊「はい!もう着きました?」

男「まだ三丁目です。で、一応約束してほしいんですけど……」

幽霊「約束?何をですか?」

男「▲▲さんの家前で俺は帰りますから、お願いしますから

俺は連れていかないでくださいね」

幽霊「しませんよ!恩人をまさか!」

男「今回きりで、俺に取り憑いたり付き纏ったりも駄目ですよ」

幽霊「取り憑く方法知りませんし、大丈夫です」

男「なら良いです」

男(すでに憑かれてる気がひしひしするんだけど。明日にはお祓い行こう)


 テクテク フヨフヨ

 テクテク フヨフヨ


男「お、二丁目に入った」

幽霊「本当ですか!」

男「電柱の見てください、二丁目でしょ。で、この辺りでいいんですか?」

幽霊「はい……あ!こっちです!見覚えが!」

男(さすがにもう間違わないだろう、ついて行ってみるか)


 フヨヨ-! タッタッタッ


幽霊「……あれ?」

男「分かってたさ!あー分かってたさ!」

男(なんで売り地なんだよ!せめて建物あるとこにしてくれよ!)

幽霊「違います!確かにここです!間違ってません!」

男「……確かに売り地看板に書いてる住所同じか」

男「ちひろさん……いつから迷子してたんですか?」

幽霊「迷子なんて人聞きが悪い」

男(迷子以外の何者でもないだろ、幽霊のくせに)

幽霊「確か……確か……忘れちゃったっ!」

男(ぶん殴りてぇ。幽霊じゃなけりゃ、

最初のあのホラー体験がなけりゃ全力でぶん殴ってた)


??「ん?よう、男じゃん!」

男「えっ誰」

??「えっなにそれひどい」

??「俺だよ、三丁目のたかしだよ!お前、こんな時間に何やってんの?」

たかし「声掛けるの躊躇っただろ?」

男「お、おう、たかしか!三年ぶりだな!俺はえっと、バイト帰りだよ!」

たかし「なんだよー、お前も深夜バイトしてんの?偶然だなー」

男「お、おう……」

男(なんでこんな時に出会うよ、幼なじみ……。

待てよ、コイツならここが売り地になる前を知ってるかも?)

幽霊「……………」フヨン

男(どうやら、やっぱり幽霊なんだよな。たかしは見えてないみたいだし)

男「なぁ、ここっていつから売り地なの?」

たかし「一ヶ月前じゃね?たしかここにあったマンションの人が

丸ごと引っ越したんだ、なんか殺人事件とかで」

男(間違いなくちひろさん達の事件だな、これ)



たかし「一ヶ月前じゃね?たしかここにあったマンションの人が

丸ごと引っ越したんだ、なんか殺人事件とかで」

男(間違いなくちひろさん達の事件だな、これ)

たかし「ま、そんな話は置いといて!同窓会なんで来なかったんだよ男ー」

男「どう、そう……かい……?」

たかし「ん?」

男「案内状……」

たかし「お前は1番最初に欠席って返信来たってあの子が……」

男「あん、ない……じょう……?」

たかし「えっ」

男「えっ」

たかし「…………」

男「…………」

たかし「わ、悪い!俺はやく家帰らねーとだったわ!じゃな!」タッタッタッ

男「た、たかし……」

男(幼なじみなんて!幼なじみなんて!)

幽霊「あのー、男さん」肩ポンポン

男「なんだよ!」クルッ

幽霊2「チーッス!」

男「 」

霊2「だいじょぶっすかー?」

男「な、なんで……」

男(なんで増えてんだよ!

出来たばっかの心の傷に塩ぶちかましてんじゃねーよ!)

幽霊「紹介しますね!▲▲です、▲▲、こちらは男さん」

霊2「ちひろ案内してきてくれたんすよね、アザース!」

男「 」

幽霊「もしもーし、大丈夫ですか?」

男(大丈夫じゃねーよ)

男「えっと、▲▲さん?」

霊2「ウス」

男(胸中心に血みどろなのに顔はものすごくいい笑顔……怖いってだから)

男「なんで幽霊に?あ、幽霊ですよね?」

霊2「いやー、遊びで付き合ってた女に刺されましてー」

男(そういや14股だったわコイツ)

霊2「13回も刺されりゃ死にますってね、もー」

男(14-ちひろさんに一回ずつ刺されたんですね、分かりました)

幽霊「寂しかったので一緒に逝こうと思ってたんですけど、

彼も先に逝ってました」テヘ

男(うわぁ。うわぁ)

幽霊「それで私達……なんだか成仏出来そうなんです!」

男「それはそれは、オメデトウゴザイマス」

霊2「ちひろが言うにはあっちに成仏の光が見えるそうなんで、

俺ら行きますねー」

幽霊「それでは!」

幽霊×2「「お世話になりましたー!」」フヨヨ-!

男「はやっ!何あのスピード!」

男「なんなんだよ……なんで俺だけ意味なくこんなとこまで来させられて、

必要ない同窓会情報で心えぐられてんだよ……」

男「………………」

男「帰ろ……。ちくしょー……」トボトボ





――自宅コーポ前――

男(やっと帰ってきた。鍵、鍵……何やってんだよ、ほんと俺は……)ガチャ

男(っと、電気電気)パチッ

幽霊×2「チャオっ!」ニコッ

男「 」クルッバタン


聞いてくれ、玄関の扉を開けて電気を付けたら

成仏したはずの幽霊共が笑顔で手を振っていた。

幽霊が見える見えないなんてチャチなもんじゃねぇ、

取り憑かれたに違いない。

思わず飛び出して扉を閉めたが一体どうすればいいのか。

「男さーん!また迷子になっちゃったみたいなの!」

なんてこったい、寺に駆け込むしかないだろ常考!







――END――


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