男と幽霊少女 5 | Let's easily go!気楽に☆行こう!

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映画、写真、B級グルメ、格闘技、そして少しばかり日常を語る雑記帳です。

女「実は少しだけ霊感があって……でも、姿は見たことないんです」

幽霊少女「でたぁ!自称霊感あるんです女ー!」

男「……それで?」

女「いつもちょっと気分が悪くなるというか、体調が悪くなるんです」

幽霊少女「それ生理じゃん」

男「そうなんだ。大変だね」

女「男さんも霊感あるんですよね?」

男「え、いや」

幽霊少女「霊感というか私がくっついてるだけですが」

女「あの、お払いとかできるなら、やってほしいです」

男「ええ?」

幽霊少女「……この人になにも憑いてませんよー?

ついてるのは無駄な脂肪だけで」

男「……んー」

女「……お願いします」

幽霊少女「鍋焼きうどんおそいなー」

幽霊少女「ちょっと、店員さん。クーラー強いよー?

ねえねえ、聞いてる?」

男(まあ、形だけのお払いをすれば、納得するか)

男「分かったよ。じゃあ、今度お払いしてあげる」

女「本当ですか!?ありがとうございます!」

幽霊少女「だから、なにも憑いてないって」

男「じゃあ、今度都合のいい日にでも会おうか?」

女「はい」

幽霊少女「うわ!さりげなくデートするきだぁ」

男「いつが良いかな?」

女「男さんの都合がつく日で構いません」

幽霊少女「じゃあ、50年後とかでもいいんですかね?」

男「来週の日曜日は?」

女「はい。大丈夫です」

男「じゃあ、それで」

幽霊少女「ちょっと!何も憑いてないっていってるのにぃ!」




夕方 会社

先輩「うーん……今日は定時で帰れそうだな」

男「そうですね」

幽霊少女「引き出しの中から飛び出す……ありかな?」

先輩「んじゃ、一杯、どうだ?」

男「すいません。ちょっとこの仕事があるんで」

先輩「ああ。真面目だねえ。家でも仕事か?」

男「すいません」

先輩「まあ、いいけど。んじゃ、

そろそろ帰りの準備でもするかねえ」

幽霊少女「……」

女「えっと、ペン……ペン」

ガラッ

幽霊少女「オッス、オラ引き出しの幽霊!」

女「あった……ふんふーん」

幽霊少女「―――ほら、全然なにも見えてないじゃん……」





自宅

男「はぁ……疲れた」

幽霊少女「憑かれたんですか?誰に?」

男「お前だよ」

幽霊少女「え?ああ、そういえばそうですね」

男「テレビでも見るか」

幽霊少女「男さん」

男「なんだよ」

幽霊少女「あの女さん、やっぱり何も霊感なんてないですって。

生理を幽霊の所為にするとかちょっとないと思うんですよ?」

男「……だろうな」

幽霊少女「分かってるなら、あんな相談受けなくても」

男「まあ、お払いして納得するならそれでいいだろ?」

幽霊少女「おひとよしー。だから、こんな美少女幽霊に

憑かれちゃうんですよ?わかってます?」

男「あーはいはい。そりゃ光栄だぁ」

幽霊少女「もっと嬉しそうにしてくださいよぉ」

幽霊少女「水道の蛇口を~……捻る!!」

ジャー

男「……」

幽霊少女「水道の蛇口を~……閉める!」

ピタ

男「……えっと、これがこうで」

幽霊少女「照明を明滅させる!」

カチカチカチ……!

男「………」

幽霊少女「あ、遊んでくれます?暇なんですけどぉ」

男「塩!!塩!!」

バッ!

幽霊少女「ちょ!やめ!」

男「胡椒!!胡椒!!」

幽霊少女「うわ!ちょ!味付けしないでくだ―――くちゅん!」

男「ふー、さとて風呂に入ってねるかー」

幽霊少女「わーい」

男「お前は入る必要ねえだろ?」

幽霊少女「知ってます?髪を洗っているとき、

背後には必ず誰かがぁ……いるんだぞー!がおー!」

男「つまり、お前がいるんだな?」

幽霊少女「うっす」

男「はいはい」

幽霊少女「えー?なんでそんな素っ気ないんですかー?」

男「怖くないし」

幽霊少女「うっそ?!幽霊ですよ?」

男「こんなにはっきりとした幽霊なんて怖くねえよ」

幽霊少女「そうですか?」

男「うん」

幽霊少女「美少女だから?」

男「否定はしないけど、自分でいうな」




浴室

男「……」

ジャブジャブ……

幽霊少女「……ぬえぇー」

男「ふん!」

カコーン!!!

幽霊少女「……いったぁーい!!風呂桶で殴るとかあり得ません!」

男「出てけ」

幽霊少女「……はいはい。

風呂上がりのビールをぬるくさせといてやるー」

男「おい。それは嫌がらせの限度を超えてないか!?」

幽霊少女「べーっだ!」

男「やべえ、早く上がろう」

ザバー

男「―――そんなに遊んでほしいのか、あいつ」





幽霊少女「ビールをこうしてコンロの傍に置いてっと」

男「マジですんじゃねえー!!」

幽霊少女「もう出てきたんですか?」

男「本当にするなよ。ビックリするなぁ」

幽霊少女「ふんだ」

男「……何して遊びたいんだよ?」

幽霊少女「え?」

男「一時間なら付きあってやる」

幽霊少女「……いいんですか?仕事で疲れてたんじゃぁ……」

男「一時間だ。無駄にするなよ?」

幽霊少女「……じゃあ、じゃあ、あの、あの!!」

男「なんだよ?」

幽霊少女「これこれ!!」

男「なんだ?テレビゲームがしたいのか?」

幽霊少女「は、はい!……だ、だめですか?

ちょっと、ほんのちょっとだけ、

興味があるんですよね……なんて……」

男「まあ、別にいいけど?」

幽霊少女「きゃっほー♪」

男(幽霊がゲームって……まあ、いいけど)

幽霊少女「これ、どこ、おせば良いんですか?ここですか?」

カチ……カチ……

男「いきなりコントローラー触っても意味ねえから」

幽霊少女「じゃあ、どこを?」

男「まずは電源をつけてだなぁ」

ピッ……ウィーン……

幽霊少女「……おお♪すごいー 」

男「まあ、別にいいけど?」

幽霊少女「きゃっほー♪」

男(幽霊がゲームって……まあ、いいけど)

幽霊少女「これ、どこ、おせば良いんですか?ここですか?」

カチ……カチ……

男「いきなりコントローラー触っても意味ねえから」

幽霊少女「じゃあ、どこを?」

男「まずは電源をつけてだなぁ」

ピッ……ウィーン……

幽霊少女「……おお♪すごいー!ついたー♪」

男「んで、ソフトを……何がしたい?」

幽霊少女「よくわかんないんで、なんでもいいですよ?」

男「んじゃ……これでもするか」

幽霊少女「えへへへ……♪」

男「楽しそうだな……」



幽霊少女「ほっ!やっ!っと!」

男「……」

幽霊少女「……いた!くそー、おかえしだぁー!」

男「……(ゴクゴク」

幽霊少女「んしょ!えい!とりゃー」

男「おい」

幽霊少女「な、なんですかぁ!?」

男「そのキャラクターを動かすとき体まで動かすのは癖か?」

幽霊少女「え?動いてます?」

男「もう、かなり」

幽霊少女「えへへ。熱が入ってしまって……よっ!」

男「まあいいけど……ふあぁあぁ」

幽霊少女「……ぬえ!」

男「………ぐー……」

幽霊少女「……やった!チュートリアルという

ステージをクリアしましたよー!

……て、あれ?男さん?」


男「……すー……」

幽霊少女「寝てる……」

幽霊少女「折角、クリアしたのにぃ」

幽霊少女「……えっと、電源は……ここでしたっけ?」

ピッ……ウゥゥン……

幽霊少女「……やった、消えた」

男「すー……すー……」

幽霊少女「男さん……ありがとう」

男「……」

幽霊少女「えっと、お布団お布団……」

ふわふわ……

幽霊少女「はい、これでよし!」

男「ぐー……」

幽霊少女「……ふふ……寝顔も素敵……♪」








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