「よく考えると怖い話」シリーズ、
その第14弾でございます。
前回(vol.13)が、今年の2月20日の掲載だったので
3ヶ月ぶりの登場となります♪
さて、今日はどんな話しですしょうか。

よく「出る」と評判の廃屋で、おれたちグループの中でも
いちばん気が強く、心霊現象完全否定派である竹田が
夜に一人で肝試しをすることになった。
他愛ない雑談から、いつのまにかそういう話になってしまったのだ。
「やめといた方がいいって」
とおれたち四人は引き留めたが、竹田は鼻で笑い、
「じゃあ、必ず約束守れよ。
おれが一人きりで朝まであそこで過ごせたら、
おまえらはおれに二千円ずつ払う。
もしおれが逃げ出したりズルをしたら、
おれがおまえら全員に二千円ずつ払う。
証拠のハンディカムはちゃんと回しとくから」
『……っと、位置はこのへんでいいか。映ってるよな?
つーわけで、一人肝試しのはじまりはじまり。拍手~。
ハァ、朝までヒマだねしかしこれ。携帯もノートパソコンも駄目とは、
自分で言いだしたもののチト厳しい縛りだったかな。まあいいや。
さて、と。
このままボーッとしてるのもなんだからさ、
ひとつおれが、そう霊なんか一切信じてないこのおれが、
とっておきの「怖い話」をしてやるよ。
おまえらのこと。おまえたち「四人」の話。
……おまえたち、まだ気づいていないのか?
違うだろ、本当はとっくに気づいてて、
なのに知らないふりをしてるだけなんだよな。
……なあ、正直に言うよ。おれはいま、怖くてたまらない。
この廃屋がじゃない。おまえたちが、だ。おまえたちの視線が。
いま、こうして、おまえたち「四人」におれを見られていることが。
怖くて怖くて死にそうだ。ずっと前から。
…………
どうやら賭けはおれの負けだな。ちゃんと払うよ、六千円は』
結局、竹田はおれたちに金を払うことはなかった。
ハンディカムの映像だけを残し、あの夜に廃屋から出たあと、
突然失踪したから。行方はいまだに知れない。
いまでもたまに、おれたち四人は竹田の残した映像を見る。
そのたびに不可解な気分にとらわれる。
いったい竹田は、おれたちの何がそんなに怖いのだろう。
さて今日の話しですが、未だにハッキリとした解釈が
なされていないのですが、多分こういうことなんだという
結論は、この後に掲載しておきます。
十人十色で、読者の皆様それぞれに異論が出ても
不思議ではありませんが、ここは議論の場ではないので、
この後に掲載する「理由(答え)」は、
解釈は一つと捉えていただきたいと思います。
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文章に出てくる「四人」・・・。
「四人が怖い」などと書かれていますが
「四人」は「死人」とも読めます。
つまり映画「シックスセンス」同様、
「四人」は自分たちの現状を理解できないでいる「しにん」たちなのです。
そして「四人」と書かれているので、ひっかかってしまいますが、
実際には「4人」ではなく、彼らは「3人」なので
六千円になるのです。
<よく考えると怖い話 vol.14 終わり>