ある大学の教授が失踪してしまった。
最初は旅行にでも出てしまったのだろうと
一緒の研究室にいた助手は思ったが、
教授の家族とも連絡が取れないことが分かった。
直接家に出向いてもそこはもぬけのからで、
家財道具も何一つ見当たらない。
いよいよただ事でないと思った助手は、
研究室に戻ると警察に届けようと思った。
しかし何気なく開いてみた自分の机の引き出しに
見慣れない一枚の折りたたんだメモが
入っているのを見つけた。
『もしかして教授からの手紙だろうか・・』
そしてメモを開き、文面を読んだ助手は絶句した。
そのメモにはこう書かれていた―
このメモをみたならすぐに関東地方、
いや出来る限り遠くへ逃げてください。
そしてこのメモの内容を
決して人には伝えないでください。
もしそうすれば日本はパニックになるでしょう。
ゼッタイに●月●日に
関東地方周辺に居てはいけません。
助手はメモをポケットに捻り込み、急いで荷物の支度をした。
失踪した教授は地震予想の世界的権威だったのだ。
その昔、アメリカの社会心理学者である
ゴードン・オールポートらの研究により、
流言の流布量を表すための有名な公式が作られました。
「流布量」=「重要性」×「曖昧さ」
この式は、ある話の内容が話者にとって重大であり、
なおかつ話自体の根拠が曖昧であればあるほど、
それが噂話として広まりやすくなることを示しています。
今回の「都市伝説」の場合は、
近いうちに起こるであろうと言われている
「首都直下地震」が元になっており、
この地震が該当地域に住む者にとって重要である点、
そして具体的にいつ発生するのかが曖昧であるという点が、
上記の公式にそのまま当てはまっています。
そのため、この種の話は
「チェーンメール」などを通じて
爆発的に広まることが多いのです。
情報の入手と発信の手段として、
テレビ、ラジオ、電話を超える媒体として
インターネット(メールを含む)の効果は
もはや周知のとおりであり、絶大です。
先の東北地方太平洋沖地震では、
電話は使えなかったようですが、
(1)メールは使えた。
(2)電話不通時もスマホであればskypeが使え、通話も可能だった。
(3)Twitterやfacebookは役に立つ。
(4)docomoとsoftbankは使えたが、auは不通時間が多かった。
などの報告があり、かろうじて入ってくるネット情報が
誤った形であったり、もしくは誰かが意図して偽情報を
流すことが予想されます。
チェーンメールや迷惑情報に惑わされないよう、
冷静な対応をしたいものです。
・・・おっと!
念のため、もう一度。
上に書いた『このメモをみたならすぐに~』の
大学教授のメモは、ネットですぐにひろえる
「都市伝説」ですからね!