魔物が来たりて | Let's easily go!気楽に☆行こう!

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映画、写真、B級グルメ、格闘技、そして少しばかり日常を語る雑記帳です。


Sさんは夜中、息苦しくなって目が覚めました。

Sさん「この辺りに立ち込める怪しく重苦しい雰囲気は何かしら?

 何かこの世のものとは思えない得体のしれないものを感じる」

すると突然、

 「ヒヒヒヒヒ・・・」

なんとそれは、目が釣り上がり、口が耳まで裂けた恐ろしい幽霊でした。

Sさん「きゃぁぁぁぁぁ。なんて恐ろしい幽霊なの!

 食べられたらどうしよう!」

幽霊「ヒヒヒ・・・なんておいしそうな娘なんだ。

 いままで沢山食べた中でこんなにおいしそうな娘は久しぶりだ。

 どこから食べていいのか迷ってしまう・・・」

Sさん「はやくここから逃げなくちゃ!でも足が動けない」

Sさんは必死に逃げようとするが、あまりのその恐ろしさに

足が竦んで動けないのでした。

幽霊「よーし決まった。おしりから食べることにしよう。

 ヒヒヒ…大分待たせたな」

そう言って、幽霊はSさんに一歩一歩ゆっくり近づいて行った。

Sさんはただベッドの上で毛布を掴み、じっと震えているだけだった。

Sさん、絶体絶命のピンチ!

そして幽霊が毛布を剥ぎ取ったその瞬間、

幽霊「うわー。おまえの首に掛けているその聖なるものはなんだ。」

それは十字架のお守りだった。

Sさん「そうだ、確かおかあさんが、魔物に襲われたら、

 この十字架を魔物に向かってかざしなさいと言っていたんだ・・・」

Sさんは幽霊に向かって十字架をかざしました。

幽霊「うわあああー苦しいー。まさか十字架を持っていたとはー。

 でももう少しでおいしそうな娘に牙が届きそうだ。」

それでも諦めずSさんは一心に祈った。

Sさん「神様、神様、どうか私を守ってください。お母さん、守って・・・」

幽霊「これには耐えられない。うわわわわ・・・」

幽霊は、聖なる力のあまりの強さで消えてしまったのであった。

Sさん「わ~い助かった。神様、守っていただいてどうもありがとう。

 え~んお母さん怖かったよ~」

こうしてSさんは幽霊の恐怖から救われたのであった。




Sさんは、友人宅から車を運転して帰る途中、

あるトンネルに差し掛かりました。

Sさん「なにかすごく嫌な感じがするわ。とても気分の悪くなるわ。

不気味な空気を感じるし。このトンネルには何となく入りたくないわ」

Sさんがふとバックミラーをみると、何かが後部座席に座っているのが見えました。

「いやだわ。私の車の後ろに座っているものは何?わたしをどうしようというの。」

なんとそれは目が飛び出し、キバの突き出た恐ろしい悪魔のようなの幽霊でした。

幽霊「ウッフッフッフ、かわいいお嬢さんだ。その首筋に噛み付いて

生き血を吸ってしまいたいよ。」

Sさん「いやぁぁぁぁ。なんて恐ろしい幽霊なの!

 どうしたらあなたはわたしを助けてくれるの!」

幽霊「それはだめだ。今晩の食事はお嬢さんの生き血に決めたんだ。

 神様にでも祈ることだな。」

そういうと幽霊はSさんの肩に手をかけました。

Sさん「まぁ、怖いことをする幽霊だわ。

 このままでは気がおかしくなってしまいそう。

 神様、どうかこの恐ろしい幽霊から私を守ってください!」

Sさんは、両手を胸の前で合わせ、目をつぶって神様にお祈りしました。

幽霊「そんなことをしても無駄さ!

 さぁこの間におまえの生き血をもらうことにしようか。」

Sさん(ああ、こんなときにおかあさんの十字架があればいいのに。

ああ、わたしはなんて不幸な少女なの。神様なんてもう信じられないわ、しくしく。」

ついにSさんは泣き出し、涙をこぼした。

そのとき、Sさんの流した涙が肩にかけた幽霊の手に落ちました。

幽霊「うわー。体が燃えるように熱い!恐ろしいことをしやがって。

 聖水をかけやがったな。うわー。くるしいー!」

幽霊は煙となって消えていきました。

Sさん「わ~い助かった。神様、守っていただいてどうもありがとう。

 え~んお母さん怖かったよ~」

こうしてSさんは幽霊の恐怖から救われたのであった。




Sさんは家でテレビを見ていました。

するとテレビの画面に急にノイズが走り、

恐ろしい悪魔の顔が浮かび上がったのです。

悪魔「きさま。よくも私のかわいい子分たちを倒してくれたな。

 この私があいつらにかわっておまえを呪い殺してくれるわ!」

Sさん「きゃーなんということなの!

 私のしてきたことはみんな間違いだったというの?

 このままでは恐ろしい悪魔に呪い殺されてしまうわ。

 いったいどうすればいいのかしら。」

悪魔「ははは。どうした小娘。私を倒そうとでもいうのか。」

Sさん「そうだわ。!にはおかあさんにもらったこれがあるじゃないの。えーい」

Sさんは十字架をかざしました。

悪魔「それがどうした。ふはははははははは。」

Sさんの十字架ははじけ散ってしまいました。

Sさん「ああ、私の大切な十字架が壊れてしまったわ。

 このままではやつの思うつぼよ。あっそうだわ」

Sさんは涙を絞り出しました。

悪魔「そのような聖水なぞ悪魔の王に通用するものか」

Sさんの涙は枯れ果ててしまいます。

Sさん「そんな・・・ではわたしはどうすればいいの。

 どうしたら許してくれますか」


悪魔「おまえの罪はおまえの死を持ってしか償えないのだ」

Sさん「このままでは死んでしまうわ。

こうなったら手当たり次第にものを投げるしかないわ。」

Sさんは狂ったように物を投げはじめました。

するとどうでしょう。悪魔の王が苦しみはじめたのです。

悪魔「なぜ私の弱点がにんにくだとわかったのだ。

うぎゃあこれはたまらんひとまず退散だ。」

Sさん「にがしはしないわ。これで終わりよ。えーい。」

Sさんの大いなる気持ちを込めたにんにくが飛んでいきます。

悪魔「口に入ってしまった。これはたまらん。ぎゃぁぁぁ」

悪魔はほろんでしまったのです。

するとどうでしょう。悪魔の王はみるみるうちに王子さまへと姿を変えたのです。

王子「う・・・ここはどこだ?」

Sさん「あなたは呪いによって姿を変えられていたのです」

王子「そうだったのかたすけてくれてありがとう。

 ぼくといっしょにこないか?」


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Sさん「王子さま!」


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こうしてSさんは王子様とどこかへいってしまい

風の噂で幸せに暮らしていたそうです。


めでたし、めでたし・・・




【魔物が来たりて】 終わり