トヨタの看板方式が、よく話題になりましたし、生産管理においてはQCサークルがなぜ、どうしてを現場から突き上げることに役立っていました。欧米ではなぜ日本が成長し戦後の復興をわずかの期間で成し遂げたのかと話題になったときに、『暮らしの手帳』の製品テストを受け入れる下地が日本の企業にはあったということが米国の経済紙に発表されたことがありました。
 あるテレビ局がトヨタ批判を中心に放送したら、トヨタに文句があるなら、CMから全部引き上げればいいなどということを言っていたトヨタの会長。
 部品を持ってくるのは下請けです、明日は何個、今日の何時までに何個という形で注文のたびにトヨタに納品されるのですが、高速道路のトヨタインターチェンジは、まさにトヨタのために作られたものだといって過言ではありません。下請けの部品会社の納品社が、高速の出口で待機しています。トヨタが在庫を持たないということは、突然の注文に応じられるように見込み生産をして在庫を持たされてきたのは下請けでした。だから、製品検査はうるさいほどでしたが、期日を優先させるという現実から『手抜き』があったのではと思います。これはトヨタの生産工程でも同じです。派遣社員がやっていた仕事をいきなり正規の労働者にやれといわれても、そこに技術の継承ありません。労働者を使い捨てにしてきた結果が、今度のリコールにつながりました。
 奥田会長は雇用は守るといっていましたが、それは闘わないトヨタの正規労働者を守るということであって、派遣労働者はバンバン使い捨てにしてきました。その結果があの事故につながったと思います。あってはならない事故ですが、人災です。