消費者金融大手4社の2009年4~12月期連結決算は大幅減収だった。9月中間決算で巨額赤字に陥ったアイフルを除く3社は純利益を確保したが、今年6月までの改正貸金業法の完全施行を控え、不透明感が強まっているという。

 完全施行されると、総借入残高が年収の3分の1を超える個人向け貸し付けを原則禁じる「総量規制」や上限金利引き下げが始まる。これを控え、売上高に当たる営業収益や営業貸付金残高の減少が続いており、武富士の営業収益は前年同期より35.2%、アイフルも28.7%減った。過払い利息の返還も終息せず、「(収益を)全く読めない時期に突入している」(プロミスの久保健社長)という。イケイケどんどんから、総量規制に向かって動いているのだが、かつての不動産金融と同じように、銀行系でもその生き残りはかなり厳しい状況にあるようだ。

 独立系のアイフルは資金繰りに窮し、9月に債務の返済猶予を求めて私的整理に入ったが、10~12月期に目立ったのは同じ独立系の武富士の変調。今回の決算では「新たな資金調達が極めて厳しい」として、監査基準に基づき「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況がある」との注記を初めて載せた。
 銀行系に組することなく強引な取り立てでやってきた、社員に対する暴力事件まで起こしている武富士、その命運もこの夏前の5月までか。