日本が侵略国家だといわれるのは濡れ衣だという論文が、アパグループで募集した『真の近現代史観』という懸賞論文で、最優秀賞となったことが報道されると、防衛大臣は、即座に政府見解と明らかに違うと更迭を発表した。麻生総理の不適切だというコメントを残した。

 書いたのは田母神航空幕僚長、解任され、3日付で定年退職になった。本人は退職願を出していないという。年齢は60歳(誕生日を迎えたから61歳か)。

 アジア太平洋戦争を、大東亜戦争といったのは、麻生総理だった。そしてこの論文でも大東亜戦争が使われ、アジア諸国はこの戦争によって解放されたというのだ。

 アジアに覇権を構築するために、朝鮮を植民地化し、中国への足がかりとし、傀儡国家満州国をでっち上げ、上海事変をはじめ戦争という言葉を使わずに、『事変』という言葉でごまかした。

満州は治安がよかったから人口が増えたと言っているが、中国人から土地を奪い、満州開拓団として日本人が入植して行った結果だった。その最後は哀れで、敗戦時の混乱の中、棄民政策が取られ、日中国交回復がなされるまで、残された子どもたちはそのままにされていた。残留孤児として日本で家族を探したが、初めのうちは家族判明率は高かったが、現在、高齢化の中、日本人だと名乗って帰国しても、家族だと名乗る人がいないことが多くなっている。

 五族協和といいながら、日本人(大和民族)を頂点とした差別社会が、出来上がっていた。

 東京裁判は確かに勝者の論理で裁かれた裁判だったが、その後の日本がその裁判の判決や、歴史観をマインドコントロールとして引き摺っているというのはそれこそ言いがかりである。

 日本が、欧米列強とともに植民地戦争に首を突っ込んでいったのが先の戦争なのだ。