板垣伴信氏が、天に旅立たれた。
未だ彼は58歳だった。
元々板垣氏は、テクモに所属していたゲームクリエイターで、そのテクモに居た時代、「NINJA GAIDEN」と言う革命的なアクションゲームと、「DEAD OR ALIVE」と言う個性的な対戦型格闘ゲームを生み出した。
彼の作るゲームは、私の印象としては、【万人にオススメ出来る部分がありながらも、全体としては万人向けと言うより、刺さる人にとことん刺さるゲーム】と言った感じだった。
他のゲームクリエイターには無いクールなセンスを持っていながら、ゲームの難易度の調整に関してはかなりクセのある人だった。
例えば、「NINJA GAIDEN Black」はXbox史上最も難しいゲームとして、良い意味でも悪い意味でも人々に強烈なインパクトを与えたし、「DEAD OR ALIVE 4」はあまりにも難し過ぎるシングルプレイのCPUが批判を喰らっていた。
私もどちらかと言えば、彼の難易度調整が合わないタイプのゲーマーであり、故に個人的には、彼のセンスと、早矢仕洋介氏の主張が合わさったゲームが好きである。
その最たる例が、私にとって、「NINJA GAIDEN Σ2」である。
あのタイトルが無ければ私は「NINJA GAIDEN」と言うシリーズにハマらなかった。正にシリーズの入り口として素晴らしいタイトルだと思っている。
そのテクモを離脱した後、板垣氏は「Devil's Third」と言う、これまた刺さる人にはとことん刺さるゲームを生み出した。
この作品は商業的には成功しなかったが、実際にプレイした人の評価はそれ程悪くなかった。
その後、新作を作っている様な話がちらほらと出ていて、板垣氏の生み出す次なる新作にファンの期待が寄せられていた中、板垣氏は旅立たれてしまった。
【戦いの連続だった】と、板垣氏は述べられているが、私の印象としても、彼は常に貪欲に挑戦していたと思う。
日本では当時全く主流では無かったXboxと言うプラットフォーム向けにゲームを出すと言うアクションや、「Devil's Third」と言うチャレンジが正に典型的な例である。
きっと、彼は、クリエイターとしての初心を忘れる事が無かったのではなかろうか。
と言う訳で、曲調と歌詞のバランスを考慮して、私が彼のイメージに合うと思う曲を1曲挙げて、この記事の締め括りとさせて頂く。
Eat The Rich