久々のゲームレビューです。
今回は、先月末に発売された、アークシステムワークスの2D対戦型格闘ゲーム「GUILTY GEAR -STRIVE- Nintendo Switch Edition」のレビューを書きます。
本レビューは、ゲーム内の全ての要素を一通りプレイした段階でのレビューとなります。
因みに、ブログタイトルの方では、正式な商品名を書けていませんが、これは文字数制限の問題で已む無くこの様に表記したしだいですので、御容赦頂ければと思います。
それでは本題に入ります。
✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦
夜幻のゲームレビュー:GUILTY GEAR -STRIVE- Nintendo Switch Edition

☆良い点☆
①:驚異の移植度
特にキャラクターグラフィックは、PCの画質設定の【高】と同等のクオリティーであり、フレームレートも約60fpsで安定している。
ゲーム内容自体他プラットフォームと殆ど変わらず、ロード時間も速い。
アークシステムワークスは、格闘ゲーム作品の携帯型ゲーム機への完成度の高い移植をこれまで積極的に行なって来た実績が有るが、本作でもその技術力の高さを存分に発揮している。
②:GUILTY GEAR -STRIVE-のゲーム性
GUILTY GEARシリーズはそれまで、複雑なコンボゲーと言う印象をプレイヤーに与えるゲームだったが、STRIVEは複雑さを極力減らしており、覚え易いゲームとなっている。
コンボゲーなのは相変わらずだが、1回のコンボがそれ程長くなく、技のダメージも高い為、簡単なコンボを覚えるだけでも勝負の土俵に立てる。
更に、【ウォールブレイク】の要素が有る。
ウォールブレイクとは、壁際で相手に攻撃を叩き込むと、相手が壁に張り付き、そこに更に追撃を入れる事で壁が割れ、ステージ移動が行なわれる、と言う要素である。
ステージ移動直後は画面中央で仕切り直しとなる為、これによって「ずっと壁を背負わされている」と言う、2D格ゲーお馴染みの苦しいシチュエーションが実質的に発生しなくなっている。
攻撃側にも勿論ボーナスが付加されるので、非常に納得性の高い画期的なシステムだ。
これらの要素によって、「スタートは入り易く、やり込めば奥深い」と言う理想のゲーム性が実現されている。
③:手堅いシングルプレイコンテンツとオプション機能

本作のシングルプレイコンテンツは、約5時間ものボリュームがある格ゲー操作一切不要のストーリーモードと、格ゲーお馴染みのアーケードモード、サバイバル、フリーバトル、チュートリアル、ミッション、トレーニング、ギャラリー、デジタルフィギュアモード等、欲しいコンテンツは一通り揃っている。
オプション機能も、キーコンフィグやボイス言語、音量、操作ボタンの表示形式等、調節出来る項目が充実しており、トレーニングモードのオプション項目も令和の格ゲーらしく非常に多彩になっている。
④:快適なオンライン
⑤:サウンド
サウンドエフェクトとボイスアクトは手堅く、サウンドトラックは最高だ。
✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦
✯惜しい点✯
①:M.O.Mモード未実装
前作のXrdには実装されていた、ステージクリア型の対戦アクションゲームモードである【M.O.M】が、残念ながら本作には未実装である。
シングルプレイのバリエーションがひとつ欠けてしまったのは単純に勿体無い。
②:ミッションモード
ソルを操作しなければならないミッションと、操作キャラクターを選べるミッションがばらついている点が、やや不親切である。
好きなキャラクターを動かしてミッションをこなして行けた方が良かった。
✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦
★悪い点★
①:アーケードモード
一戦目は難易度ハード固定で、ラウンドを落とすか落とさないかでその後の難易度が自動的に変わって行く仕様となっている。
これは正直、あまり初心者向けでは無い印象で、初心者に配慮するつもりが有るなら、同じアークシステムワークスの「ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド」の様に難易度別のルートを用意するか、SNKの「THE KING OF FIGHTERS」の様なコンティニューボーナスを用意するべきだ。
②:フィッシング
本作のギャラリーモードの資料やオンラインのアバターのパーツ、デジタルフィギュアモードのアイテム等は、全てフィッシングと言うガチャの様なモードで釣り上げなければならない。
1回釣りと10連釣りが有り、いずれもゲーム内マネーを消費しなければ釣る事が出来ない。
ゲーム内マネーはアーケードモードをプレイしたり、オンラインモードをプレイする事で稼げるが、オンラインモードをプレイした方が稼ぎ効率が良い。
つまり、単純に回りくどく、プレイ時間水増しの為の要素にしか過ぎない。
ギャラリーモードの資料は、同じアークシステムワークスの「BLAZBLUE」の様に、ゲーム内マネー消費で直接解放出来る形で良かったのでは無いだろうか?
シングルプレイの稼ぎ効率の悪さも当然よろしくないポイントである。
✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦
☆総評★

最先端のハイエンド格闘ゲームである「GUILTY GEAR -STRIVE-」がNintendo Switch向けに出ると言う、信じ難い事が起こった訳だが、アークシステムワークスは持ち前の技術力の高さで見事に高水準の移植を実現してみせた。
グラフィックスは問題無いどころか、キャラクターグラフィックに関してはほぼ全くダウングレードされていないし、ロード時間も速く、フレームレートも60前後で安定している。
このゲームが抱えている問題点は、「GUILTY GEAR -STRIVE-」自体が元々抱えている問題点しか無く、ちょっとした技術的不具合は有るものの、アップデートで修正する予定である事がしっかり告知されている。
本作は、CAPCOMの「STREET FIGHTER 6」のモダン操作の様な簡易コマンドは実装しておらず、アーケードモードは難易度選択が出来ない為、初心者への配慮が必ずしも充分であるとは言い切れないが、チュートリアルが充実しており、ゲームシステムは覚え易く、簡単なコンボでも充分なダメージを出せる気軽さも持ち合わせている。
ウォールブレイクによって壁際のプレッシャーにそこまで怯えなくて良いのもポイントだ。
キャラクターバランスは少々悪く、「STREET FIGHTER 6」と比べてハチャメチャな格闘ゲームだが、アニメチックな格好良い・可愛いキャラクターに惹かれる人や、「STREET FIGHTER 6」のバトルに窮屈さを感じている人には、確実にお勧め出来るタイトルである。
Nintendo Switch Editionは、一部対戦モードとクロスプレイが実装されていない点は注意すべき部分である一方、シーズン3までの全DLCキャラクターが最初から実装されている点と、クイーン・ディズィーが無料配信される点は大きな魅力と言える部分であり、携帯型ゲーム機でプレイする事を考えた場合、携帯型ゲーミングPCよりも圧倒的にコスパが良い。
少しでも興味が有るなら、Switch版で有ろうと無かろうと、必ずプレイするべきタイトルだ。
ロックな体験が、あなたを待っている。
✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦
☆「GUILTY GEAR -STRIVE- Nintendo Switch Edition」レビュースコア (各項目10点満点)★
グラフィックス:10/10
サウンド:9.8/10
ストーリー:8/10
バリュー:8.5/10
リプレイ性:8/10
トータル:9/10