ある市へ行った時のことだった。

かなり前のこと。

遊びに行ったのではなく、用事で行った。

どんな用事なのか、書いてしまうと、どの店なのかわかってしまうので書かない。

さえない気分で元気になれず、

(美味しいものでも食べて、元気になろう)

と思って、一件の飲食店に入った。

外装も内装もお洒落で、トイレもキレイだった。

外は、チェック模様だったと思う。

イギリス風の飲食店かと思った。

思っただけなのか、店に「英国風」と書いてあったのか、それは忘れた。

でも、出された料理のまずさは、忘れない。

手抜き料理でまずいのではない。

真面目に料理をして、まずいのだ。

まずいというのが失礼なら、口に合わなかったというか。

サンドイッチが出て来たと思う。まずかった。

イチゴの友だちのような紫色の果物が出て来たが、美味しくなかった。

イチゴのほうがよほどいい味だと思った。

お皿を三段置ける、金属のもので出て来て、豪華な感じだったが、味は最悪だった。

ミルクティーは飲めた。

がっかりして、店を出た。

袋に入ったビスケットのようなものも出て来たのだけど、食べる気になれず、家に持って帰った。

父は、お菓子が大好きだったけど、翌朝、少しかじって置いてあった。

まずかったのだと思う。

イギリスの料理はまずいと本で読んだ。

あの店は、イギリス料理を正確に再現したものだと思う。

それでないと、食べることにうるさい人の多い、あの市で店を営業出来ないと思う。

イギリスの街は魅力的に映る。写真で見ると。

しかし、料理があれほどまずいと行く気がしない。

あの店、まだ、あるのだろうか。