あの頃のことをふっと思い出す時がある。
出口のないトンネルにいるかのような、先の見えなかった日々。
ただただ不安だった。
クラブへは行く。反抗的な1年生。
完全無視の同期。見ているだけの男子の先輩たち。
男子キャプテンが、ある日、動揺して言った。
「運動部本部にあいつを入れるっていうんだ。何を考えているんだ、あの人は。あいつがいないとクラブはどうなるんだ」
あの人とは山路さんで、あいつ・・・一つ上の男子の先輩のことだった。
一つ上のひとりだけいる男子の先輩だった。
運動部本部。雑用が増える。クラブどころじゃなくなる。
運動部本部に行かせたのは、そうすると、「バドミントン」部へ入るお金が増えるからだと竹下先輩は、のちに言っていた。
本当の理由は何なのだろう。
クラブを愛人の天下にしたかったからじゃないのか。その男子の先輩が邪魔だったんじゃないのか。
当時、絶望していた。
クラブに来て何もかもが楽しくない。
でも、やめられない。
これからいったいどうなるんだろう?