酒井先輩は、今思うと、謝らない人だなと思う。
特に後輩には。
そういう言い方になってしまう。
食後のコーヒーの話も、うまく逃げたような印象がある。今の私が先輩の立場なら、こう言うだろう。
「今は、『バドミントン』部は上下関係がそんなに強くないの。私たちは、あなたたちによくないやり方を教えていたと思うわ。ごめんなさいね」
酒井先輩は、問題点をはぐらかして言っている。
「私たちが改革できなかったことを山川が変えたんだわ」
改革したくてもできなかったと言いたそうだ。
別に酒井先輩に謝ってもらわなくても構わない。
私に人を見る目がなかったのだ。
もう一つ思い出した。
「プライドも何もかもなくなってしまうけど、頭下げて仲間に入れてもらいなさい、同期の子たちに」
酒井先輩は、教えている中学生にも、似たようなことを言っているのだろうか。
中学生なら、反発もするだろう。
健全な精神を持っていれば、反発して当然なのだ。