ある大教室の講義が、一つ上の男子のあの部のキャプテンと一緒だった。先輩は忙しいらしく、代筆を頼んできた。最初は、出席票に名前と学生番号を書いていた。別に、代わりに出席票に記入すること自体はそれほど大変なことではなかった。が、辞めたというのにそんなことをするのが嫌気がさしてきた。それで、先輩に大学内で会った時、自分で出席して自分で書いて頂きたいと切り出した。でも、何かと理由をつけて代筆させられるのだ。


そのキャプテンは、「辞めたい」と二つ上の男子キャプテンに言った時に、次期キャプテンとして、

「自分から働きかけず、向こうからの動きを待ってるように見える」と助言というのか、そう言った。

先輩の言ってることは半分当たっている。

男子の先輩たちはわからないのだろうか?

なぜ、私は自分から「働きかけ」ないのか。

「あんたは何も言わなくてもいいのよ!」

咲岡は言った。他の男子の先輩も「お前から入って行け、はねつけられても」とか言う。一緒に行動していても何もわからないのだ。排除されているということに。それにあんなきつい性格の子たちとやっていけない。咲岡など、本当にイヤだった、深瀬も山川も、短大二人も。あの子たちは今でも五人で集まっているのだろうか。