進学について

昔、雑誌の悩み相談なんかでこういうことを言う人がわりといた。
「親は私にいい大学へ行け、勉強しろ、とうるさく言うんです」
そういうことを。
私の親は、殆どそんなことを言わなかった。
だから、「いい大学へ行け」と言う親とは違うとずっと思っていた。
が、少し前に気がついた。
「いい大学へ行け」と言う親もうちの親も同じようなものだ、と。
父は、私に大学へ行って欲しくなかった。
看護学校へ行って欲しかった。
看護婦になって欲しかったのだ。
大学へ行くのなら、薬学へ行って薬剤師になればいいと言っていた。
お金が全て、なのだ。
大学を出たのなら、知名度の高い企業に勤めて、バリバリ稼げる。
そう思っていた。
でも、できなかったから、
「大学へ行っても仕方ない。看護学校へ行っていれば」
と聞こえよがしに言っていた。
父も同じなのだ。
「いい大学」が「看護学校」になっているだけで。
子供に過剰な期待をするという点で同じなのだ。
父との関係が悪かったから、私は子供を持ちたくないのだ。