「あの子」はいつもシレーっとしていた。
試合会場近くの宿泊施設(学生用?)。
結構、規則がある。
「あの子」たちはお菓子を持って来て、ボリボリ食べていた。
下級生の人に宿泊施設の注意事項を聞きに行ってもらい、その子が帰って来た。
下級生の人がいくつかのことを述べて最後に、
「宿泊施設内でのお菓子持ち込みは禁止だそうです」
と言うと、動じることもなく、
「そう」
とだけ言った。たいした女だと思った。
コンパで、「あの子」たちは折り箱を持参していた。
コンパの終わり近くで、「あの子」は残った料理を折り箱に入れ始めた。
シレーっとして。
下級生の人がちらっと見る。すると「あの子」は、
「見たわね」
とシレーっとしていた。
コンパ代は下級生も彼女たちも私も同じ金額だった。
下級生は不満だったのかは知らないけれど。
その後、「あの子」たちは、誰かの部屋に行って、「あの子」たちだけの二次会をやっていたようだった。
別のコンパがあった。
会場に着くと、「あの子」たちは座っていつも通り、しゃべり始めていた。
私とマネージャーの先輩と男子の先輩一人は立っていた。
よくやるよ、と思った。
私はともかく、先輩二人が立っていて、彼女たちは座っておしゃべり。
先輩に気を遣って話しかけたりなんて全然頭にないらしかった。