当地に引越して11年になる。毎年年賀状の季節になると時の流れを感じる。

1年に1度くらいは人間に便りを出して生存確認をしたりする。

この辺は人間以外の生命体が人間よりも多く生殖していてそれはそれでよいが、

鳥にはサクランボやブルーベリーを盗まれ、猪(と思う)には芋を荒らされ、

ハクビシンらしきものには屋根の上にのぼられ、モグラはあちこちに穴を掘り、

油断していると、畑には雑草が生い茂りちょっとした草原になる。

ちょっと目を離すと、山鳩が庭の植木に巣を作ってしまう。

桃や柿や梨やリンゴは放っておいただけではうまく育たず手間がかかる。

なかなか自然との共存は難しい。

でも、いいこともあって、雉の親子が庭をトコトコ歩いていると応援したくなったり、

カッコウとかホーホケキョとわかりやすく鳴く鳥はなぜかうれしい。

 

共存するためにいろんな機械や器具を使うようにもなった。

雑草をかき混ぜるためにトラクターや除草機を使い、

木の幹や枝を切るためにチェンソーやレシプロソーを使い、

桃や紅葉から大量に吹き溜まる落ち葉と戦うためにブロアバキュームを使い、

桃や柿を収穫するために10段の高い脚立や高枝切りバサミを使い、

ツツジやサツキを丸い形に整えるために生垣バリカンを使い、

モグラがやたら庭に穴を掘って困るのでモグラ撃退器を買い、

カラスや鳩や猫に馬鹿にされないように「パン」となるだけの「音追いピストル」もある。

夜に庭を徘徊する尻尾の長い黒い獣に対抗するために鳥獣撃退器も用意した。

防犯カメラやワイヤレスの温湿度計も取り付けた。

 

そうか、なかなか面白い。

もともと機械の類は好きなので、結構楽しんでいるかもしれない。

後は、猪や熊や虎など手に負えない大物に出会わないように祈るばかり。