細雪と仁とおやじ太鼓 | Welcome to K's Garden ~光太郎の妄想日記~

細雪と仁とおやじ太鼓

テンションの高い人が多そうなイメージのある都道府県ランキング
 文化や風習、人柄などは出身の都道府県によって違うもの。いわゆる“県民性”と呼ばれる違いですが、そ..........≪続きを読む≫

 

 


テンション高そうなケンミンはダントツ大阪か、なるほど。ケンミンSHOWでも大阪のおばちゃんコーナーが作られるくらいだからそうなんだろね。真偽のほどは分らないけど、芸人でもない市井の人々もサービス精神が旺盛なのだろう。

だが私の持っている大阪のイメージは、結構穏やかなおっとりしたものだ。というのも、好きな小説のひとつに「細雪」があって、ここで語られる芦屋の暮らしはとても艶やかで品があり、洗練された上方文化を感じるからだ。芦屋は兵庫で大阪じゃないと言われればそれまでだが、東京で言うところの山の手と下町のような関係ではないかと思っている。

ところで最近不振のTBSが久々に一発当てたのが、東芝日曜劇場の「Jin-仁-」だ。残念ながら昨年末に終了してしまったのだが、最近TVドラマに関心なかった私が、放映期間中は日曜夜9時が待ち遠しくて仕方なかった。観終わるとすぐ番組サイトのファンメッセージコーナーに直行し、あれこれ書き込んだものだ。


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考えてみれば小学校の頃に観たTBSのドラマは面白かった。ホームドラマ全盛期で、ちょっと思い出しても「ありがとう」、「肝っ玉かあさん」、「ただいま11人」、「時間ですよ」などのタイトルが目に浮かぶ。大雑把に言えばこれらの作品は山の手サラリーマン物と下町商店物に分けられるが、中でも一番好きだったのは前者の代表作「おやじ太鼓」だ。

これは進藤栄太郎扮する建設会社社長の頑固おやじが、四男三女としっかり者の妻+お手伝いさんに囲まれて孤軍奮闘するお話だ。なぜ孤軍かというと、本人は家長の威信を体現する気でいても、実際は囲んでいる側が合わせているような所があるからだ。ちょうど体温の暖かさが感じられるような、付かず離れずの良い距離を保っているからだ。

これを観ていると、最初は笑っているのにやがて自分の父親を観ているような気になり泣けてくる。仁で泣けるのとはまた違った種類の感慨だ。地震と雷と火事はいまだ猛威を振るっている中で、おやじの権勢だけは昔のドラマにしか見る事ができないのか。俺も結構な歳になったけど、おやじのカミナリが懐かしい。



【木下恵介アワー:おやじ太鼓】