中型免許を取った1994年,バイク雑誌を見ていて高校生の頃に興味を持っていたBMWのニューモデルの広告を見つけました。
R100R mysticです。実際に広告として載っていたのは上とは別の写真だったと思いますが,渋いビーエムとは思えない,はっとするものがありました。タンクからシート,リアにかけての流れるような滑らかな形。まるでうつ伏せになっている女性の背中のようで何ともセクシー。そして鮮やかな深紅のボディ。
当時既にハイカムOHVのR1100シリーズがあることは知ってましたが旧型のエンジンに興味があったので「いいなぁ~」と見とれたものです。ただなんせ高価なメーカー,手が出る価格ではありません。ジェベル200&ZZ-R250で日本各地を走り回る楽しさを味わうと共にBMWのことは頭の片隅へ封印・・
月日は流れて昨年の今頃,何のきっかけかビーエム乗りの方々のサイトを探していたら結構いらっしゃいますね。新車のみならず,古いモデルのユーザーさんがいっぱい。某中古バイク検索サイトでミスティックを探したけど全国合わせても4台しか見つからない。(生産台数が少ないから当然だけど中古のタマ数も少ないな・・あと何年も経たずに市場から消えるかも・・) そして金額よりも厳しいのが足着き。大型車はシート高だけでなく幅が広い。と思っているとこんなサイトを発見。ベンベナムスメさんはもんじろう号ことR80を乗り回していらっしゃる。 おお,すごい!! こんな小柄なお嬢さんがバリバリ走ってる!!
鹿児島市には昔からBMWの正規代理店をしている福留モータースがあるので,試しにR100系に跨がらせてもらえないか遊びに行ってみました。小中高と通学路途中にあったお店で現在は更に広い場所に引っ越していらっしゃいます。
「こんにちは。ちょっとR100系を見せてください。」「何か探しているの?」「実はミスティックが好きでして・・」「あるよ。うちのお客さんが新車を買う時に下取りしたのが。」なにーぃっっ!? まさか稀少車の実物が地元にあるとは!!
元のお店を今は倉庫にしているとのことで,自分のクルマに親父さんを乗せて早速観に行きます。そして閉め切った戸を開けて目に飛び込んできた姿は・・
おお,まさしくミスティック。前オーナーが車庫にきちんと保管していたとかで錆も殆どなく,ビキニカウルと大型パニアケースもついています。足着きはぎりぎり何とかなりそう。「今から大型免許を取ります。取ったらまた来ます。」と宣言しました。
そして昨年の夏,かなり苦労しましたが卒検でエンストしつつも惰性走行のままセル・リスタートで切り抜け何とか合格。まさかの大型免許を取得しました。福留の親父さんに電話して整備してもらっておいたミスティックを引き取りに行きます。
僕の現在の住処からは遠いのでZZ-R250をバイク王に売った足でそのままミスティックの元へ。ZZ-R250がたったの5,000円だった"とほほ"な気分もミスティックとの対面で吹き飛びます。ビキニカウルは僕のリクエストで外してもらい実家に保管,晴れて初めての出会いから15年の月日を経てミスティックのユーザーになりました。遊びに来ていた他のお客さんと話が弾みます。「旧型が好きなんですか?」「ミスティックに乗る為に大型免許を取ったんです。」「ほぉー..」
さあ,GWはこいつと共に遠出をするぞ!! ^^/