オワリノハジマリ | 路地裏の和猫

路地裏の和猫

あの町この街 彷徨う旅猫♪何時までも何所までも
そして道上蒼空の下で

「君はオートバイに乗るのか?」

当時16歳
所属していた「夜行館」という劇団の公演が新宿ABCであった。その千秋楽。
「君はオートバイに乗るよね?今日、横浜にあるクラブのボスが来るから頼むよ」
と座長に言われた。
頼むよって…なにを…誰?

そして冒頭の台詞
「君はオートバイに乗るのか?」
キツい眼光、お付きの人もギリっとしてる。
お酒を注ぎながら
「乗りますよ」と答えた。
「ならば何時かは横浜に来い」
当時、多摩のナンバーで横浜に行くとボコられると噂があった。その横浜に来い、と。
「はぁ。でも行かないと思います。」
軽い返事を返した。
相手は横浜ケンタウロスのボス
今考えるとそら恐ろしい人を相手に軽いもんだった。

十数年後…


「サマーパーティが有るから手伝いに来ないか?」と言われて出向いた富士の麓
其処にはその人がいた。

横浜ケンタウロスのボス

挨拶に行くとニヤッと笑い「まぁ座れ」と。
16歳の時の話をすると
「だから俺は言っただろう?」と返された。
これにやられた。あれから15?20?年近く経っているのに覚えていたのにも驚いた。

以来、夏のパーティでは食の場へ。
1番人と会えて顔を覚えて貰いたかったから。
あれから数十年…
今年のパーティで跡目を決めた。
勿論、跡目の人はいるが私はボスからカンバンを授かった。
冬に京都で入族の許可を貰いFURAIBOからKENTAUROSへ。
何も変わらなかったけどズンッと重くなった。

そのKENTAUROSも何時かは世代が変わる。

何時だかクラブハウスでボスからこんな話を聞いた。
「始まりには終わりがある。でもただ終わるんじゃなく終わるための始まりもある。」
確かこんなような話だった。
終わるための始まりには薄らと気づいていたけどちょっとペースが違ってた。

まだ整理のつかないアタマの中で巡ってる言葉は
「いいか。身体は大事にしろよ」



まだ暫くは時間が必要だけど
跡目のお手並みもだけれど、
今は大将もお身体ご自愛いただきたく思う。