坂道の町 | 謎のこうのとり 

尾道の千光寺へのロープウェイを降りて、ごつごつした大きい岩が

重なり合う坂道を恐る恐る下る。

この大宝山は岩の塊のようなもので、どこもかしこも固い石。

途中、「文学の小道」があり、

文人の作品の一節を刻んだ石碑があった。

慣れない石の道に足がすくんで、ゆっくりと石碑を見る

余裕もなく、「小道」というより、筋肉痛のみちでもあった。

千光寺でお参りし、さらに下へ下へ坂道を下りると

中村憲吉、志賀直哉の旧居があったが、月曜日は閉まっていたため

外観のみ写真におさめた。

それにしても、風光明媚な景色が眼下に広がるとしても

日々、この坂道を上り、下りしていたのだろうか。

かなりの健脚だったにちがいない。

「帆雨亭」でしばし休憩。

店主の女性にこの坂道は大変ですねとお聞きしたら

50年ここに暮らしているので慣れていますよとおっしゃった。

志賀直哉の貴重な初版本もあった。

窓からの景色もよく、お手製のプラムスカッシュも美味しかった。

少し休憩し、元気が出てきたので細い坂道を選んで歩く。

このお宅はおじいさんが花の手入れをされていた。

雪柳の上に伸びる枝はバラなんだそうな。

バラの花の季節にまた見に来なさいねと勧めてくださった。

このお宅の瓦にはおたふくがビックリマーク

 

そうこうしてるうちに電車がすぐ下にみえてきた。

坂道の終点である。