標高の高い山頂にはまばらな積雪があるものの
例年、積もっているはずの雪が全くなく
私は「ラッキー」と思ったが、他の方々は「雪が見たかった」と
残念がっていた。
しかし・・・旅での雪に何度も泣かされてきた私は
「さいこーの天気」と内心ほくそ笑んでいたことは秘密である。
金沢から高速道路で走っていると、沿道の家々の屋根は
能登瓦と呼ばれる黒いものが多かった。
途中、中部縦貫道路を走ったが、この道路が
出来る前はとても時間がかかり、移動が大変だったそうな。
しかし、この辺りの湿地帯には水芭蕉が咲き、車窓からの
景色は良かったとのこと。
そんなこんなでめちゃスムーズに白川郷に到着した。
いつもは駐車することも大変にひろーいバスの駐車場も
空いていて、すぐに降車。
観光客が増えすぎて、環境汚染など、世界遺産登録が
取り消される危機があり、バスのような大型車は
合掌造りの密集する町中を走ることはできなくなった。
駐車場から大きなつり橋を渡り、集落に入っていく。
私は白川郷は3度目なので、感動はそれほどないけれど
この茅葺の屋根を維持するために大変なご苦労が
あるのだろうと感じ入るのであった。
合掌づくりとは、茅葺の屋根が掌(てのひら)を合わせた
ような急勾配の山形をした建築なのだそうな。
白川郷では、屋根の両端が本を開いて立てたような形
「切妻合掌づくり」という様式で、
積雪の多い風土に合わせているそうな。
世界遺産なので、防火にもかなり気を使っているようだった。
白川郷で最大級の5階建て長瀬家の家屋に入る。
約11メートルの一本柱(合掌柱)が見事であった。
長瀬家は260年も続く旧家で初代から三代までは漢方医だったそうな。
三代目の善作さんは加賀藩の藩医でもあり、
500年前の作と言われる立派な仏壇や蔵一棟を
譲り受けたそうだ。
3、4階部分は養蚕の作業場だった当時の機械をそのまま展示している。
囲炉裏の煤で黒光りした柱が美しかった。