紅葉の季節 | 謎のこうのとり 

紅葉の季節

 

日曜日、秋晴れ。

美術館に企画展を観に行こうと準備していたら

友達からライン

この秋、友達のご主人は小さい地場産市場を立ち上げた。

友達が住む山間の幸が購入できる。

この日、よもぎのお焼きを即売するというので、

急きょ予定変更して、お焼きを食べに行くことした。

優しい甘味の粒あんが入っていて、ほとんどヨモギの外側は

限りなく深い緑で、口に入れると山に来た~っていう気分。

友達も店に来るというので待っていたが、会えなかった。

車を西に走らせているとき、ラインが入った。

「今、車ですれ違ったよーーー」会えなくて残念。

私がたどり着いたのは、酒蔵のある小さい町。

通りを歩けば、酒の匂いで酔ってしまいそうなくらい

酒造会社の工場が連なっている。

私がよく行く地元の植物園の牧●先生の故郷でもある。

青●文庫という博物館で幕末の歴史の企画展開催中。

車を駐車場に停めて、ふと上を見上げると

なんと美しい紅葉。

博物館鑑賞はあとにして紅葉に導かれるように古刹への

階段を上ると

         親切な住職の奥様が本堂や庭にもどうぞと案内してくださった。

庭園も苔生して、風情ある佇まいに心が洗われる。

すれ違った地元の方が牧●公園には竜胆が満開だよと

教えて下さったので、えっちらこっちらと小山を上る。

駐車場のイチョウが日を浴びて金色に輝いている。

公園には楚々とした山野草が自然な形でひっそりと咲いていて

山路来て何やらゆかしりんどうよ

苔、キノコに白ヨメナ、人字草

 

落ち葉の陰でささやかに咲いている白い花。

 

上り坂が苦手な私だが、控えめに咲いている花を見つけては

写真を撮り、歩き、上りの繰り返しで

いつの間にかテッペンにたどり着いた。

晴れ晴れとした気持ちになった秋の一日だった。