あるべきやう | 謎のこうのとり 

「花冷え」と言うには余りある寒い週末だった。

そろそろ衣替えしようかと思っていたけれど思いとどまった。

 

桜咲く頃、心ウキウキするにはもう年を重ねすぎ、

それよりもなんとなく憂鬱になる春。

街で新社会人の姿を見るつけ眩しくて、

自分にもこんな時があったのかと遠い昔に思いをはせるけれど

夢中で過ごした時というのはあまり記憶に残っていないものだなぁと。

土曜日は久々にオーガニックマーケットに行った。

いつものパンや野菜を買い、山の上の本屋さんも出店していたので

数冊買い求め、帰り道、早めのランチを食べて

惣菜つくりのいつも午後を過ごした。

午後遅く、ある作家の本を探すために何軒かの古書店を巡ったけれど

見つからずガックリ。

日曜日は妹に所望されたカゴを納戸から引っ張り出してきた。

ついでに断捨離精神に火がついて不必要と思えるものを

どんどん目をつぷり袋のなかに入れた。

明日のごみの日に出すずら。

 

オーガニックマーケットで買った本の明恵上人の言葉が

しみじみと胸に沁みた日曜日。

 

 

「人間というものは「あるべきやうに」(あるべき姿はの意)という七文字を

、常に心にとどめておくべきである。

例えば出家は出家のあるべき姿、

在家は在家のあるべき姿、さらに帝王は帝王のあるべき姿、

臣下は臣下のあるべき姿といったように。
この「あるべき」姿にそむくからこそ、

全て悪というのが生まれるのである。
わたしは、死後浄土に生まれようなどとは思わない。
ただ、この世であるべき姿でありたいと願うのみである」

 

私も「あるべきやう」でいたいと思う。