孤舟 | 謎のこうのとり 


妹が茶事で孤篷庵を訪ねたと聞いた時はうらやましくて
撮った写真をじっくり見せてもらった。
そして、ついに好機来たり。
特別拝観なんて次回はいつあるのやらわからない。
この機会を逃したら、一生の不覚と思い、休みをとって
大徳寺の一番西にある
孤篷庵に行ってきた。

         写真は大徳寺塔頭のひとつ聚光院・千家の墓所がある。

           冬の特別公開時に過去三度訪ねた。
         この日は28日で月釜だったらしく着物姿の人をたくさん見かけた。



           孤篷庵は写真撮影不可なので表門から一枚だけ撮る。



午前9時30分から拝観受付が始まるので、9時過ぎに到着するが
すでにお二人並んでいた。
25名を一グループとしてガイドの女性が案内してくださった。
重要文化財の襖などを傷つけないために荷物は受付に
預け、もし荷物を持ってはいる場合は身体の前で
しっかり固定しなければならない。



孤篷とは「孤舟」という意。

小堀遠州のこだわりが随所に見られ、三大茶人としての
美意識が集約された小庵。
利休は黒、織部の緑、そして遠州は白。
書院式茶室の忘筌(ぼうせん)の間の明かり障子は
上半分だけに障子が入っていて
西からの陽が手水鉢に張っている水に反射し
以前は白かった天井(砂摺)にその光が揺らめいたそうな。

遠州が居間として使っていた「直入庵」の前庭は
近江八景を模していて、丸い刈り込みが優しい印象。
(この丸い刈り込みは遠州が初めて試みたそうな)

直入庵の奥には茶室「山雲床」(さんうんじょう)があり
茶室の障子の向こうには織部灯篭と
中国の古銭の形の手水鉢があり
なんとも風流な茶室だった。

天気もよく、ガイドさんによると
「今日はゆっくり拝観していただけています」とのこと。
しかし、次のグループがすでに忘筌の間での
説明が始まっていたため退出。
この好機に感謝しつつ孤篷庵をあとにした。