重い想い | 謎のこうのとり 




昨年末から歯科医院に通っている。
通っていると言っても、なかなか予約の取れない人気の歯科医院(まるでレストランみたい)なので、一度行くと次は二週間後という長い間が開くから、「行っている」が正解かもしれない。
歯科医院が苦手な私にとって、この間(ま)はその都度かなりの覚悟を必要とする。
歯科医院へ向かう足取りは重く、いろんな理由をつけてキャンセルしようかと弱腰になる。
しかし、詰め物が外れた歯が三本となると、今治療しなければ大好きな煎餅やガリガリくんが食べれなくなるという
くいしんぼの私...には最悪の状況となってしまうのだ。
予約の時間の30分前には到着し、待合室で本を読んでいるが、
まるっきり本の内容は頭にはいっていないので、その部分はあとで読みかえししなければならない。
ならば、本を読まなくてもいいじゃないかと思うけれど、文字を目で追うと一番心が落ち着くような気がするのだ。
治療が終わり、次回の予約をして外に出ると、なんとかやり遂げたという達成感と清々しい気持ちになるものの
緊張してこわばった身体が石のようでうまく歩けない。
土曜日は予約の日、次第に重苦しい気持ちになっている