ヤン・ネポムスキーの墓を背にして前に進むと、左側に古色蒼然とした
入り口がある。
長い歴史を感じる古びたドアから中を覗くと、ゴールドで輝く豪華な礼拝堂が
あった。
完成した当時はもっと輝いていて、さぞかし光に包まれた祈りの場で
あっただろう。
聖ヴァーツラフ礼拝堂はボヘミア美術の枠を極めたと称えられている。
半貴石で覆われた壁には聖ヴァーツラフのエピソードが描かれている。
中央の像は聖ヴァーツラフ。
聖ヴァーツラフはボヘミアの最初の王と言われている。
もし、チェコが絶滅の危機に陥ったら、聖ヴァーツラフがよみがえり
白馬にまたがりカレル橋に行き、剣を取り出し「首よ、飛べ」と叫ぶと
剣の魔法により敵を倒して国を救うという伝説があるそうだ。
実際、何百年もの間ヨーロッパではたくさんの戦争があった。
しかし、プラハは破壊されることなく、昔の姿をとどめている。
プラハに住む人たちのこの土地に対する想いは聖ヴァーツラフの伝説と
ともに今も尚生き続けているのだと思った。