ヴェネチア共和国千年の歴史にピリオドをうったのはナポレオンでした。
18世紀末、ナポレオンの侵略により強力な共和国は終わりを迎えたのです。
ドゥカーレ宮殿の「十人評議会の間」の天井には
ヴェロネーゼの絵がはめこまれています。
ヴェロネーゼの「青」はとても美しい、青の色が際立っていて、
似たような絵を見ても、色を見ればヴェロネーゼだとわかるくらいです。
ナポレオンもヴェロネーゼの絵が大変好きだったそうです。
天井の絵の中で一枚だけ青の色が薄く、「ヴェロネーゼの青」とは言えないものが
あります。
それは「悪徳を制裁するための空から降りるジュピター」複製画なのです。
ナポレオンがパリに持って帰ってしまったのでした。
本物の絵は今、ルーヴル美術館のモナリザのある部屋に飾られています。
シンシアさんはあたりを見回し、「フランスの方はいませんね」と確認し
「フランスは泥棒をしたのでぇぇぇぇす」と数回おっしゃいました。
でも・・・・どうなのでしょうか? ベニスにもよそ様から頂いた?というよりも
無理やり持ってきてしまった芸術品がありますよね。
お互い様なのでしょう。
でも、ヴェロネーゼが天井に飾るために描いた絵、今は壁にかけています。
やっぱり画家の心情としては元に戻すのが一番美しく鑑賞できるのでは
ないかと思います。

