サント・チャペル | 謎のこうのとり 

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サント・チャペルの入り口にはセキュリティチェックがある。それをパスすると

一旦外に出て、聖堂の入り口にある入場券売り場の横を通って入場する。


ミュージアムパスが使えるので、並ばなくても受付の人に見せるだけでいい。



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昨年2月にパリに訪れた時、サントチャペルに行ったのも日曜日だった。

でも、何か行事があるということで入れなかった。

今回はそのリベンジなのだ。


ノートル・ダム大聖堂と比べて、暗く、しかも天井が低く、なんだか圧迫感があった。

しかも、以前写真で見たステンドグラスもないし、これは別の建物なのだろうかと思っていたら

らせん状になった細い階段があった。


小さいドアから中に入ると、あまりの美しさに言葉がでてこなかった。



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サント・チャペルが完成したのは1248年。

芸術新潮の本によると、聖堂の工事期間は技術の問題ではなくて

資金の多寡によるという。

サント・チャペルは5年で完成したというから、かなりの資金が集まったのだろう。



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建設を命じたのは国王ルイ9世。

フランスの国家予算が約25万リーヴルだった頃、サント・チャペルの建設費は

4万リーヴルだったというから、いかにこのチャペルに思い入れがあったということが

想像できる。


そして、この聖堂をルイ9世が建てたのはその頃手に入れた

22点の聖遺物をまつるためだったらしい。


たとえば・・・・聖十字架の断片、イエスの血、マリアの乳、モーセの杖、イエスの荊冠など

(イエスの荊冠は13万5000リーヴルもしたらしい)

本によると、中世においては建物や美術品よりも、聖遺物が大切で高価だったということだ。


しかし、マリアの乳? これってどうやって保存していたのか? 



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これらの聖遺物のほとんどは革命の時、市庁舎まえの広場で焼かれ、

現代において残っているのは荊冠と十字架だけで、このサント・チャペルにはなく

ノートルダムの蔵品になっているらしい。


でも、言葉も無いほど美しいステンドグラスは当時のものが3分の2をしめているそうだ。

真贋あやしい聖遺物よりも、私にはずっとこの美しいステンドグラスが価値あるもの見えた。


                                      まだまだつづく