火曜日、謎の団体の会議の準備が終わり、テレビ紳士の話を聞いていると
さっちゃさんが慌てた様子で私を呼ぶ。
何ずら? へっ、蛇? どこどこ?
Sホテルの自動ドアを出たところでかなり長い体長の蛇が日光浴していた。
次次にやってくる謎の紳士たち、皆、蛇が苦手なのか、遠回りして近づかない。
近くに行って、顔を見ると、穏やかな可愛い顔をしている。
そこへ駐車場の係りの方が大きいビニール袋とつまむものを持ってきて、
怖々ビニールの中に蛇を入れ、ビニールをバンバンとコンクリートの床に打ちつけている。
なんてひどいことをするずら。
あとで駐車場の係りに蛇のことを尋ねると、事務所の人が処分するから
ホテルの裏に置いたと言う。
昼休みに病院に行く時、蛇をこっそり逃がしてあげようと思い、探したが
見つからなかった。
さっちゃさんも蛇を助けようと、Sホテルの広い庭の隅にある森に逃がしてあげたら
いいのにと進言してくれたらしい。
あの蛇はきっとSホテルの守り神だったかもしれない。
明日起きるかもしれない地震を命を賭して知らせきてくれたのだ。
Sホテルが崩壊したら、それはあの守り蛇の祟りかもしれない。