大丈夫 | 謎のこうのとり 

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携帯電話が通じるようになって、息子から昼晩と一日にニ度も連絡があった。

昨夜は余震が怖くて、一睡もできなかったらしい。


一人でアパートにいると、不安で 「お母さん、僕やばいよ汗」と弱音をはく。


  「大丈夫ずら」と声を掛ける。


余震で落下物がないように部屋を片付けるとか、風呂に水をためておくこと

懐中電灯を枕元に置く、携帯を充電しておく、揺れがおさまったら、出口を確保すること、

飲料水と非常食を準備しておくこと・・・・気がついたことをゆっくりと伝える。


ひとつひとつ、「わかった」と返事をする息子に「何かあっても絶対大丈夫だから落ち着いて

行動すること」を念押しする。


私が今、息子にできることは「大丈夫」と声をかけることしかない。


でも、もっと大変な状況にいる方たちのことを思うと、心が痛くて痛くて

何か私にできることはないのかとそればかり思う。