テレビうつり | 謎のこうのとり 


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私の父方の祖母、叔母、叔父は戦中、空襲により亡くなった。

もうずいぶん昔のこと。


祖母もまだ若く、叔母、叔父ももちろん小さな子供だったのだ。

その時、父はすぐ下の弟と別の場所に避難していて、

空襲を免れたのだが、空襲のすぐあとその防空壕で

父が見たのは、一面の焼け野原。


その当時、子供だった父の悲しみを想うと、心が痛い。


今日は祖母、叔父、叔母の命日。


その当時、同じ地区で亡くなった400人あまりの犠牲者のための慰霊祭があった。

遺族代表として、母は慰霊碑に祈りを捧げた。

一度も会ったことのない祖母や叔父、叔母だが、私が今こうして

幸せに暮らせるのは、尊い命を犠牲にした人たちの祈りの上に

成り立っているのだと実感した。


地元の放送局がすべてその模様を撮影していた。


不謹慎な私は「もっと厚化粧をするべきだった」とふと思ったのだ。

ごめんなさい。


結局、私も妹もニュースには映っていなかった。ほっDASH!

でも、肝心の母がかなり映っていた。

しわ伸ばしコロコロの効果がまだ出ていないのに?

デジタル放送だとかなり鮮明に映るのでは?

と・・・・娘の私は心配するのであった。