RERでオベール駅まで戻り、そこからサン・ラザール駅に向かって歩く。
一向に降りやまない雪、寒くて凍えそうだ。
ここから目指す美術館は地図上では近いけれど、時間もないので
タクシーに乗った。
パリは一方通行の道が多く、乗る方向を間違えれば恐ろしく遠回りになってしまう。
着いた先は「ジャックマール・アンドレ美術館」
19世紀末、銀行家であったエドワール・アンドレと画家ネリ・ジャックマール夫妻が
収集した多くの美術品がオスマン風館に展示されている。
18世紀のフランス美術品、イタリア・ルネッサンス・オランダの美術品
中国の漆塗りの家具もある。
ミュージアム・ショップで入場券を買い、左周りの弓なりになった通路を進むと
建物の正面で出る。
そこでは、眠れる白いライオンが静かに出迎えてくれる。
ジャン・マルク・ナティエ
夫妻の確かな審美眼で選び抜かれた多くの美術品が豪華な邸宅に
さりげなく展示されている。
年間の美術品収集に費やした資金がルーブルを上回ることもあったというから
驚きである。
しかし、どの美術品もこの邸宅のために制作されたかのように
ピタリと納まっていて、とても上品な空間となっている。
入場料10€には音声ガイドも含まれているので、ひとつひとつの美術品に
ついて詳細な説明を聞くことができる。
もちろん日本語ガイドもあるのだ。
館内は写真撮影禁止なので、邸宅に漂う壮大な芸術の空気と美術品を
目と心に焼き付けて至福の時間を過した私。
この美術館にあるカフェも素敵なのだ。
次回は必ずカフェに行くずらよ。