トボトボと歩く上り坂の辛いこと。
おまけに吹雪いて、まるで私の気持ちを代弁するかのような
天気だった。
途中、子供服の店のウィンドーがあまりにも可愛いので
入店してしまった。フランスらしい可愛さの中に上品な
デザインの小さい服やグッズがたくさん並べられていた。
一つ一つ丁寧に作られていて、見ていると穏やかな気持ちに
なってきた。
少し気分が持ち直したところで、このままパリ中心地に戻るのも
もったいないかなと思い、駅前のお城に入った。
となっている。
入口の受付のおじさんに入場券はミュージアムショップで買ってと言われ
長い廊下の途中にある本がたくさん並べられた図書館みたいな店で
入場券を買った。
そのあと、二階から見学してと言われたけど、チケットを確認する所もなく
入場券なしでも入ることができそうなくらいのアバウトな博物館なのだ。
すべてフランス語の表示なので、展示物を見て自由な想像の世界に浸るのだ。
さりげないステンドグラスが素敵。
フランスが「ガリア」と呼ばれていた時代、日常で使われていたものが
たくさん展示されていて、いつの間にか時間を忘れて見入ってしまった。
私が見学している間、出会ったのは一組の老夫婦だけだった。
あっという間に二時間が経っていた。
このあと、ふたたびRERで中心地まで戻る。
帰りのRER車内では、何か書いた紙を配ってはブツブツ言って回収にくる
おじさんや、いきなり演奏を始めて、チップを要求するおじさんやら
やっぱり怪しい路線だと再確信。
吹雪いていた。城から出るのにかなりの勇気が必要だった。
つづく










