オリーブ | 謎のこうのとり 


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例年にも増して、散々たる不本意な結果が出た検診の帰り道

田舎から直送の農産物を売っている店に立ち寄る。


野菜と、変わった山紫陽花の切花をレジに

持っていく。

レジの女性曰く

  「この切花、ほとんど花が終わってて商品になりませんね、

   申し訳ないのですが、お売りできません」

なんと良心的と思いつつ、まだきれいに1つ2つ残っている花が

あるのに捨てられるのかと・・・老いてきた自分と重なり合わせて

複雑な思いであった。


野菜を後部座席に置くと、すぐ横のお持ち帰り用の胃レントゲン写真と

紹介状が目に入った。

その時、やっぱり買おうと思いなおし、店に舞い戻る。

先ほどのレジは昼前でお客が列をなしていた。

隅には無造作に置かれた山紫陽花が力なくしなだれていた。


ふと目に付いたテラコッタ鉢に植えられたオリーブ。

山紫陽花に心を残しつつ、元気がもらえそうな気がして

オリーブを買った。


玄関にオリーブを置き、車の中の野菜を取り出していると

母が 「これ上にあげるねー」と私の返事も待たずに

自室のバルコニーにもっていってしまった。

以前から家にあったオリーブと種類が違うから、これで実がつくと

喜んでいる。


十二指腸に写っていたオリーブの形をした影の原因のひとつだと

心で思う。