今夜の謎の団体の会議は小説の舞台ともなった料亭で
開催された。
ここは盆梅が有名で、この時季、大広間は梅花の上品な香りで
満ちている。
受付の準備のため、早めに料亭に到着。
すでにET紳士は、和蝋燭の演出に取り掛かっていた。
この燭台はET紳士の手作りなのだ。
和蝋燭は、わざわざ愛媛県内子から取り寄せたもの。
盆梅は、ちょうど見頃であり、芳香が私の鼻腔に心地よく
大変満足であった。
いつもにんにく臭い紳士がのたもうた。
「こうのとりさん、年齢よりも若く見えるね」
すかさず答える私・・・「私の年齢知っていますか?」
「いや、知らん」
じゃぁどうして年齢より若いという言葉が出てくるの?
素直にありがとうって言えばいいのに、
私って、かわいくないずらね。反省
どの盆梅の前で撮るのか、さんざん迷った挙句、この梅に
決定。 少しイライラする私。
「じゃ撮りますよ」と声を掛けると斜め45度の角度に目線を置く。
へっ なんで
ET紳士曰く
「あのね、昔お付き合いしていた彼女が必ず、この角度の目線で
ポーズしたからね。それを思い出して、マネしたわけ」
ふ~ん、それって40年も前のことでしょう。
よく覚えていらっしゃる。
一本に白とピンクの花をつけた木があった。
料亭の社長に質問してみる。
「枝の色が違うでしょう、接木をしたんですよ」とのこと。
「人間も年取ったら、若い顔を接顔できたらいいですね」
おばかなことを言う私に社長は「へへへ」と不気味に笑ったのであった。